ニュース・コラム

皆さまのお役に立つ最新ニュースやコラムを
随時更新しております。

強迫性障害など神経症圏の傷病で精神の障害年金は受給できるのか?

 

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

強迫性障害で障害年金を請求するも「不支給」という相談

 

先日、精神の診断書で障害基礎年金を請求したものの「不支給」となったという女性から、相談の電話がきました。

 

これだけ体調が悪い。そして担当の先生も間違いなく2級の年金をもらえるだろうと言っていたのに、なぜ不支給なのかわからないということでした。

 

たしかに、「日常生活能力の判定」の7項目の平均点は約2・7点。「日常生活能力の程度」は(4)。ADLからみて不支給の理由がわからなかったのですが、傷病名を聞くと「強迫性障害」とのこと。

 

厚労省から、障害認定調書を取り寄せてみる必要はありますが、不支給の理由はこれ(傷病名)ではないだろうかとピンときました。

 

精神の障害の認定基準には以下の記載があるので、一部引用させていただきます。

 

「神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態をしめしているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。」

 

神経症圏の傷病は、いくら重症なものでも、原則として認定の対象とならないのです。また、診断書の「記入上の注意」の欄には「①障害の原因となった傷病名」欄に神経症圏(ICD-10コードが「F4」)の傷病名を記入した場合で、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」または「気分(感情)障害」の病態を示しているときは、「⑪備考」欄にその旨と、示している病態のICD-10コードを記入してください。」とあることからわかるように、診断書の傷病名の欄に、単に神経症圏の傷病が記載されているだけでは、いくら日常生活能力や程度が重症の域に達していても、障害年金は「不支給」となってしまうことがほとんどです。

 

この相談者様は、主治医の先生に確認したところ、「あなたはうつ病の病態を示している。」とはっきり言っていたとのこと。

 

ならば、審査請求する際に別紙の診断書等にその旨書いていただき、添付資料として提出すれば、判定が覆る可能性はじゅうぶんでてくると説明しました。

 

つまり、審査請求する価値はあるということです。

 

精神の障害年金の請求で、神経症圏の傷病を扱う時はじゅうぶんな注意が必要です。

 

<後日談> この後、相談者様は筆者を代理人に立て審査請求を申し立てました。担当の医師に「意見書」をもらい、うつ病の状態を示していることの証明。再審査請求までいきましたが、容認され、現在2級の障害年金を受給しております。

一覧にもどる

メールでお問い合わせ

皆さまからのお悩みや疑問を
メールで受け付けております。

    お名前

    電話番号

    メールアドレス

    ご希望の連絡方法

    お問い合わせの種類

    お問い合わせの内容