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保険料をすべて払っているのに障害年金を請求できない?

中斉徳久(社会保険労務士)

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。札幌市厚別区厚別中央を拠点に、10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。  

 

 

 

 

 

Q 国民年金の保険料を全て納付しているのになぜ障害年金を請求できない?         

 (相談者:30歳男性・うつ病)

 

30歳の息子のことで伺います。
 
息子は大学を卒業したものの、就職できずアルバイトをしながら就職活動をしてきました。
 
しかし、就活は2年ほど続けたもののどこの会社にも受からず、気が付けばうつ病を患い精神科に通うようになりました。
 
一過性のものだと簡単に考えていたものの、気が付けば30歳になります。症状は徐々に悪化し障害年金の受給を考えました。
 
ネット等で、年金保険料を納めていなければ、障害年金を請求することができないということを知り、今まで1度も支払っていなかったので(免除もしていませんでした。)、最近10年ぶんまとめて支払いました。
 
しかし、年金事務所では精神科を受診したいわゆる「初診日」以前に支払わなければ、障害年金を請求することはできないと冷たくあしらわれてしまったのです。
 
これには、私もキレてしまい、窓口で年金事務所の職員を怒鳴りつけてしまいました。初診日より先に払おうが後に払おうが、お金を払っていることには変わりはありません。しかも10年分の年金保険料は相当な金額です。
 
息子は、現在体調は最悪で、アルバイトもできない状態。
 
これで、障害年金をもらえないなんて、理不尽としか思えない。
 
息子はなんとか障害年金をもらうことはできないのでしょうか。
 
 
 
 
 

A 障害年金納付要件 後だしじゃんけんを認めない

 

障害年金には、請求する上で、納付要件というものがあります。
 
納付要件をざくっと説明すれば、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間の3分の2以上の納付済期間(免除期間も含む)がなければ障害年金の請求をすることができないというものです。あるいは、「前1年要件」といって、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月からの直近1年間の被保険者期間のすべてが納付済み期間(免除期間も含む)であれば障害年金の請求をすることができきるというルールもあります。
 
いずれにせよ、「初診日の前日」に年金保険料を納めていなければならず、初診日の後にいくら全期間ぶんの年金保険料を納めても、障害年金請求における「納付要件」はないということであります。
 
つまり、障害年金の納付要件において「後だしじゃんけん」は認められないということです。
 
息子様はアルバイトもできない状態で、年金保険料を10年ぶんも支払っていながら、請求すらできなとなれば、怒鳴りたくなる気持ちもわかります。
 
しかし、これは、国民年金法という法律によるもので、現行のルールではどうしようもないことです。
 
法律を変えるしか方法はありませんが、それも無理な話です。
 
やはり、年金保険料はしっかり払わなければならないということでしょう。
 
息子さんの障害年金の請求はむずかしいです。
 
 
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