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審査請求「筋強直性ジストロフィーの初診日」

 

 

 

 

 

 

筋強直性ジストロフィーと糖尿病

 

 

 

以前、筋強直性ジストロフィーの患者さんの障害厚生年金を請求した。その方は元々、糖尿病の治療を行っていた。その後、握力のの著しい低下・違和感などを覚え検査したところ「筋強直性筋ジストロフィー」と判明。ある程度進行したところで障害年金の請求をこころみることになった。当初、通院している医療機関の相談室主導で請求の準備を進めていた。しかし、請求する段階で申立書の書き方がわからないなどの理由で、途中から筆者が参加することとなった。主治医が指示した「初診日」は、なんと糖尿病の治療が始まった日だった。筆者も知らなったのだが、主治医によれば、筋強直性ジストロフィーの症状は『骨格筋障害のみならず、心伝導障害、白内障、糖尿病、前頭部脱毛、中枢神経症状(病識の欠如、性格変化、知識低下)など多彩な臨床症状を示す多臓器障害性の遺伝性疾患である。』ということらしい。

 

 

 

筋強直性ジストロフィーと糖尿病の因果関係が認められなかった。

 

 

満を持して裁定請求するも、「筋強直性ジストロフィーと糖尿病に因果関係は認められない」という理由で不支給に着地した。納付要件があるのは糖尿病の治療開始時の頃だけだったので、そこをなんとか「初診日」に認めさせなければならない。当然審査請求を行う。『筋強直性ジストロフィーは骨格筋障害のみならず、糖尿病などの多彩な症状を示す多臓器障害性の遺伝性疾患である。本件も糖尿病の症状が出現した時点で骨格筋障害も存在していたと考えられる。』といった内容の意見書を、主治医に書いてもらった。しかし、その甲斐むなしく審査請求の結果も「棄却」。主治医に「間違いない」と太鼓判を押してもらっていたが全く認められなかったのである。現在(再)審査請求の準備をしている。

 

 

「糖尿病は筋強直性ジストロフィーの症状のひとつ・・・」

 

 

それにしてもひどい話である。主治医が「糖尿病は筋強直性ジストロフィーの症状のひとつ」とはっきり言っているにもかかわらず、審査請求では全く認められなかったのだから。その主治医は言う。「これは教科書的な話であり、けっして珍しいケースではない。」と。現在再審査請求に向けて準備中である。請求人は非常に困窮しており、障害年金の受給は必要不可欠である。学会での「教科書的な話」が伝わらないのならば、それをどう伝えていけばいいのか。今後の課題はとてつもなく大きい。

 

 

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