執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。
障害年金の請求は、何をどう進めていけばいいのか?
札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営しています、社会保険労務士の中斉と申します。
さて、障害年金の請求を検討していると言う方。
まずは何から手をつけていいのかわからないと思います。
大丈夫です。最初はみんなそんなかんじです。といいますか、一生何度もそういう機会があるわけではないですね。
今回は、障害年金の請求代理業務を10年以上行っている弊事務所が、障害年金請求における簡単な流れを簡単にお伝えしたいと思います。
これはあくまで一般的なものですので、全てを網羅しているわけではありません。ですので、あくまでご参考程度に見ていただければ幸いです。
まずは「初診日」の特定。そして「納付要件」を調べます!
まず、障害年金の請求する上で一番最初にやらなくてはいけないことは、「初診日」を程度特定させることです。
「初診日」とは、障害年金の請求傷病において、初めて医療機関を受診した日のことです。
例えば、糖尿病で障害年金を請求するケースを考えていきます。
会社の健康診断で血糖値が高いなどの異常がみつかり「糖尿病の疑い」となり、再検査が必要になった方がいるとしましょう。その方が、より精密な検査を求めて病院へ行った日を「初診日」といいます。
この「初診日」がある程度特定できたら、その日においてどの「年金制度」に加入していたかを確認します。「厚生年金」に加入していたなら、障害厚生年金。「国民年金」なら障害基礎年金。公務員の方なら「障害共済年金」と請求する制度が違ってくるのです。ここがまず大事です。
そして、その「初診日」に、「納付要件」があるかを確認します。
「納付要件」については、年金機構のホームページから引用させていただきます。
- 保険料納付要件
初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
つまり、初診日以前に、ある程度の年金保険料を支払っていたかどうかを問われるということです。これは年金事務所で調べることができますので、最寄りの年金事務所へ行ってみてください。
ただ、自分でこの日が「初診日」と思っていたとしても、必ずしもそれが認められるわけではありませんので、ご注意ください。
主治医に相談。診断書の記載を依頼する!
初診日に納付要件がクリアーされているということがわかれば、とりあえず障害年金を請求する権利はあるということです。
あとは請求者の症状が障害等級に該当しているかどうかです。これを認定といいます。
認定において特に重要な書類は2つあります。
1、診断書
2、病歴・就労状況等申立書
これらの書式は、年金事務所でもらうことができます。またパソコンでダウンロードすることも可能です。
その中でも一番大事な提出書類は、診断書です。
というより、これが全てといっても過言ではありません。
傷病に罹患しているからといって、必ずしも障害年金を受給できるかというと、そういうわけではなく、「障害認定基準」に達していなければ障害年金は受給できないのです。
まずは、主治医の先生に相談してみましょう!
障害年金を検討するくらいの症状の方なら、担当の先生も相談にのっていただけると思います。
仮に、その段階で、先生から、診断書の記載を断られたら・・・。
理由は色々あるかもしれませんが、その時は障害年金の請求は厳しくなるのかもしれません。ですので、普段からの医師とのコミュニケーションはとても大切です。これについては、場所を変えてお話したいと思います。
まずは、きちんとした診断書を記載していただきましょう!
それができれば、障害年金請求の仕事のほとんどが終了したようなものなのです。この辺りで不安な方は一人で悩んでないで、近場の社会保険労務士に相談することをお勧めいたします。
診断書ができあがったら、次は「病歴・就労状況等申立書」の作成!
診断書ができたら、病歴・就労状況等申立書(以下。申立書)の作成に入ります。
診断書との整合性を見られますので、作成前にいただいた診断書を隈なくみていくことが大事です。だいたい3~5年ごとに時系列に分けて書きましょう。そして、通院した病院ごとに、あるいは、病院に行っていなければその時期を、わけて記入するように心がけます。
申立書の書き方を、大まかですが、以下に記しておきます。
①症状が出てから、初めて病院へ行くまでの経緯を記入。
②初めて病院へ行った時の体調、その後の通院頻度はどのくらいで、どのような治療をうけたか。また、その時期の就労・日常生活状況に関することを記入。
③通院していない時期があったら、その理由とその時期の体調。また、その時期の就労・日常生活状況に関することを記入。
④初診日と違う病院に行った場合は、転院理由・体調・その病院への受診頻・、治療方法。また、その時期の就労・日常生活状況に関することを記入。
申立書は、簡潔にわかりやすく書きましょう。見る人が読みやすいことを心掛けて書くべきです。
そして、ここが一番大切なのですが、日常生活で何が一番大変なのか、それをしっかり訴えることです。書面で審査されるのが障害年金です。この機会に、自分自身のつらさをしっかり伝えましょう。
診断書、病歴・就労状況等申立書ができあがったら、添付書類を揃えて提出!
診断書と病歴・就労状況等申立書が出来上がったら、戸籍謄本や貯金通帳のコピー、障害者手帳のコピーなどの添付書類を揃えて、最寄りの年金事務所へ提出してお終いです。
添付書類は、わからなければ年金事務所へお尋ねください。
さて、障害年金を請求するための、必要な作業項目を大まかに記してみました。
これだけ見れば、実は大したことはないのです。それこそ誰でもできる仕事なのかもしれません。
しかし、これが、中々思うようにいかないのが現実です。
一筋縄でいかない。これが障害年金です。
障害年金の請求代理業務を10年以上やってきた弊事務所が言うのだから、間違いありません。
もちろん、社労士を使えば、手数料がかかります。
しかし、最初に大きな失敗をしてしまいそれが尾を引き、結果時間がかかっただけでなく、「不支給」となるケースも多々ありますので、請求する上で何か不安があるのであれば、インターネットなどで、障害年金専門の社労士を探し、無料相談だけでも受けてみることをお勧めいたします。
皆様方の、請求がうまくいくことをお祈りしております。