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障害共済年金 自閉症スペクトラム症 審査請求を申し立てました

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

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自閉症スペクトラム症で障害共済年金を請求「2級不該当」

札幌市厚別区で社会保険労務士をやっている、中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。

 

数か月前、相談者の依頼を受け、精神の障害で障害共済年金を請求しました。傷病名は「自閉症スペクトラム症」。20代の男性だった。

 

請求者は、幼少の頃より友達を作ることが苦手。小学校の頃は同級生から浮き上がり一人で過ごすことが多く、授業中立ち上がり教室を飛び出すなど常識外れな行動が目立っていた。中学・高校ではさすがに授業中教室を飛び出すことはなくなったが、何か嫌なことがあると露骨にふて腐り、怒りを抑えることができずにあばれて周りに迷惑をかけていた。病識のないまま大人になり、高校を出てから現業の公務員となったが、そこが悲劇の始まりだったかもしれない。

 

職場では、仕事ではミスを連発。叱られてばかりいた。そもそも上司の指示の意味が全然わからなかった。遅刻・欠勤務なども増え、仕事は休みがちになった。日常生活能力は低下していく。上司から「精神科を受診しろ」と言われ、実際精神科へ行ったところ「不安神経症」と言われただけだった。仕事は長続きせず、短期間で辞めている。

 

請求者の詳しい病歴などは割愛させていただくが、請求者は、7年何度かの転院を経て、発達障害であるということがわかる。

 

日常生活もままならず、障害年金を請求することにした。初診日は公務員として現業で働いていた時に精神科を受診した日にした。つまり障害共済年金である。

 

 

 

 

 

日常生活能力の程度は(3)日常生活能力の判定の平均は3.0「日常生活能力においても多くの援助を要し、家族がなければ生活は成り立たない」しかし障害年金2級不該当

取得した診断書を見ると、日常生活能力の程度は(3)、日常生活能力の判定7項目の平均スコアは3,0。

 

同居の家族は「有」で、現在仕事もしていない。診断書項番⑪「現症時の日常生活活動能力及び労働能力」の欄には「家事・育児・金銭管理・社会的な手続きなどは単身では不可能。就労は困難で、就職したとしても破綻は目に見えている。日常生活能力においても多くの援助を要し、家族がなければ生活は成り立たない」と記載されていた。

 

これは、国民年金法施行令別表、厚生年金保険法施行令別表第一、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」及び「国民年金・厚生年金保険精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に基づけば、じゅうぶん2級に該当するものであった。

 

しかし、結論から申し上げて、結果は「3級」であった。

 

意味がわからない。

 

請求者と協議し、審査請求を行うこととした。

 

某共済組合審査会に請求書と別紙による「審査請求の趣旨及び理由書」を提出、現時点では、審査請求の結果はまだ出ていないが、これが2級にならないとすればおかしすぎる。

 

精神の障害年金の審査が「厳しくなった」と言われて久しいが、年金機構でもこのような結果になることはなかなかないものと思われる。

 

実施機関独特の解釈なのだろうか・・・。

 

いずれにせよ納得いかない。

 

1審性なので、今回の審査請求が「棄却」なら、裁判をするしかないが、それも現実的ではない。

 

いい結果がでることを祈るばかりである。

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