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眼の障害・網脈絡膜萎縮 50年前の初診日を証明する方法はあるのか?

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

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Q 先天性の疾患「網脈絡膜萎縮」で障害年金を請求したいが、初診日の証明の仕方がわからない。初診日が約50年前のものをどう証明すればいいのか?

相談者:50代後半・男性

所病名:「網脈絡膜萎縮」(高度近視)

障害者手帳:2級(視力障害2級・視野障害5級)

職業:高校を卒業してからずっと自営業(保険料納付済み期間ゼロ)

 

幼少のころから高度の近視を患っています。初診日は小学校に入ったばかりの頃(6歳の頃)。学校の授業に支障をきたしており、親に連れられ眼科を受診。その流れでメガネを作りました。その眼科ではただ「弱視」と言われただけで、特に病名を告げられたわけではありません。その日から今に至るまで分厚いメガネをかけ続けています。

 

学校では、毎年視力検査を行うのですが、そのたびに「眼科を受診しなさい」と指摘され眼科に行くものの、「弱視」と言われるだけで視力がよくなることはありませんでした。そのため、高校2年生を最後に眼科の受診すらしなくなりました。

 

最近、久々眼科に行ったのですが、そこで初めて「網脈絡膜萎縮」と診断を受けます。どうも、先天性の病気らしく、子供のころからの弱視はこれが原因だったと言われました。障害者手帳(2級)を取得し、先生から障害年金を申請したらいいのではと言われました。また、請求すれば2級の障害年金をもらえるとも言われました。

 

しかし、ネットで障害年金について調べているうちに、障害年金を請求するには、ある程度年金保険料を支払っていなければならないということです。私は自営業をやっていたこともあり、人生で一度も年金保険料を払ったことはありません。ただ、20歳前に「初診日」があることを証明できれば、年金の納付実績は問われず、障害基礎年金を請求できると聞きました。

 

請求傷病の「網脈絡膜萎縮」における「初診日」は小学生の頃にメガネを作るために眼科に行ったのがそれにあたると思います。といいますのも、担当の眼科の先生の話では、私の病気は生まれながらのものであるということです。つまり、幼少の頃からの「弱視」は網脈絡膜萎縮によるものだと。エコー検査では、眼軸長の異常値が発覚したのですが、それが全てを物語っているとも言われました。

 

しかし、初診日を証明しようとも小学校のときに受診した眼科は全て廃院しており、その後に何度か行った病院もすでに廃院し、初診日の証明がしようもありません。

 

私は障害年金の請求をすることはできないのでしょうか。

 

 

 

 

 

A第三者証明・当時の写真などの資料を出すことで初診日の証明になることもある

札幌市厚別区で社会保険労務士をやっている、中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。

 

眼の障害で障害者手帳2級を取得しているということですね。担当の先生から「障害年金を請求すれば2級の年金をもらえるのでは」と勧められているものの、約50年前の「初診日」を証明できなくて困っていると。

 

2級の障害者手帳を取得しており、先生からも障害年金の請求をすすめられながらも、初診日を証明できずに年金を請求できないというのなら本当に惜しい限りです。

 

何とかしたいところですね。まずは、できることから挙げてみましょう!

 

初診日を証明できない(つまり受診状況等証明書を取得できない)となれば、「初診日の第三者証明」を、当時を知る複数(二人以上)の方に記載してもらうということで。初診日が認められることがあります。当時の友達や第三親等以外の親戚(従妹)などに、当時眼科を受診していたということを書面にて証言していただくのです。50年ほど昔となれば、なかなか証言してくれる人は見つかりにくいかもしれませんが、従妹なら案外相談にのってくれるかもしれません。

 

また、小学生の頃に眼科を受診し、メガネを作ったというのでしたら、学校の集合写真や家庭でのスナップ写真で相談者様がメガネをかけて写っているものが何枚かあるのではないでしょうか。これで、当時から目が悪かったということを証明できるかもしれません。

 

さて、ここが一番大事なのですが、現在の診断名「網脈絡膜萎縮」と小学生の時の眼科の受診を因果関係があるものと認められるかどうかということが一番の問題です。

 

因果関係はあるのでしょうか?

 

担当の先生の話では「先天性」のものということですね。

 

根拠として、エコー検査で確認された「眼軸長の異常」を先生は挙げている。つまり医学的根拠がしっかりあるということです。ならば、因果関係が認められる可能性は高いと思われます。

 

相談者様のケースは、障害基礎年金を請求することは可能ではないでしょうか!

 

ただ、こういったこみいったケースでは、初めて障害年金の請求を行う方にとっては、とても難易度が高いと思います。

 

できることなら、障害年金に詳しい社労士などに相談し、できれば依頼したほうが得策だと筆者は考えます。

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