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リべド血管炎で障害基礎年金の受給はむずかしい?

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

リべド血管炎の障害年金認定の解釈が突然変わってしまった・・・

 

社会保険労務士の中斉徳久と申します。札幌市厚別区で障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。

 

以前当サイトで、『「難病」リべド血管炎で障害年金の請求はできるのか?』というコラムを投稿したことがあります。2020年6月のことです。

札幌の難病などの障害年金請求なら|札幌ライラック社会保険労務士事務所 (nenkinman.com)

 

リベド血管炎という傷病は、罹患者は10万人にひとりいるかいないかともいわれています。治療方法が確立されておらず、まだまだ解明されていない部分が多いのです。

 

同傷病は、「血行障害によって引き起こされる下肢に急性に生じる局所的な有痛性紫斑病変と分枝状皮斑を特徴とし、しばしば潰瘍化する難治性の疾患」(リウマチ科・Feb.2009年、科学評論社 より)といわれています。

 

悪化すると下肢の皮膚に潰瘍ができて鶏卵大ほどになり、痛みをともないます。さらに顕著になると歩行が困難になると伺いました。長期入院もまぬがれないようです。原因もわからず、外出せずに安静にしていることも多く、仕事や日常生活に多くの支障をきたします。

 

さて、この2020年当時は、リべド血菅炎で障害基礎年金2級はなんとか出ていました。しかし、ここ数年、同傷病で2級は厳しくなりました。つまり、基礎年金なら「不支給」ということになります。

 

たぶん、2020年当時、認定医は、症例の少ないこの傷病に対し、どう解釈していいかわからず、完全に「その他の障害」として認定していたのだと思います。「仕事ができず、労務も不能。一般状態区分が(エ)だから2級でいいのでは?」といった単純な解釈です。

 

ところが、最近の同傷病への解釈は、なぜか「神経系統の障害」の認定基準にシフトしています。

 

 

 

 

リべド血菅炎 なぜか「神経系統の障害」で認定される

 

認定基準・第9節/神経系統の障害には以下の記載があります。

 

疼痛は、原則として認定の対象とならないが、四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛、脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛、根性疼痛、悪性新生物に随伴する疼痛、糖尿病性神経障害による激痛等の場合は、疼痛発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚的所見等により、次のように取り扱う。

 

つまり、一部の疼痛以外(厚労省では「例外疼痛」と表現しています)、障害年金の認定の対象にならないということです。

 

先日、同傷病で障害基礎年金を請求するも不支給、審査請求を経て再審査請求を行い、「棄却」となった方がいました。その裁決表には、2級に相当する症状を認めつつ、『請求人の状態は「例外疼痛」には該当しない』という見解に着地しています。

 

疼痛による歩行困難や日常生活能力の多くに支障が出ていることは認めるが、それは「例外疼痛」に該当しないから、認定の対象外だ。

 

つまり、そういうことなのでしょう。実におかしな解釈です。

 

リべド血菅炎は、解明されていない部分はまだまだ多く、治療法も確立されていないのです。いわば、対処療法でなんとかしのいでいる。個人差はあるでしょうが、なかなか改善されず長い年月苦しんでいる方はいらっしゃいます。先の再審査請求で棄却された方は、10年以上仕事もできず、家にこもる生活を続けています。大事な人生を棒に振っているといっても過言ではない。そんな人たちを少しでも救うのが障害年金ではないでしょうか。

 

過去の事例を一蹴し解釈を変え、「神経系統の障害」にあてはめる。「例外疼痛」には該当しないと日常生活に支障をきたすほどの症状すらないものとする解釈は許されるべきものではありません。

 

そもそも、同傷病は、なぜ神経系統の障害に当たるのでしょうか。全く理解できません。

 

まだ未定ですが、請求人は、裁判も視野に入れて今後のことを考えていくとのこと。筆者も微力ですが、何かお役に立てることがあればお手伝いさせていただくつもりです。

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