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実は多い 障害年金の更新の相談

 

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

 

障害年金の更新とどう向き合うか?

 

札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。

 

筆者が障害年金の相談・請求等の業務を携わるようになって、かれこれ14年になります。

 

おかげ様で、ご縁のあった客様はかなりの数になっているはずですが、そのため障害年金の「更新」についてのご相談を受けることも多々ございます。

 

障害年金は、何年かに一度、障害年金の診断書(障害状態確認届)を年金機構に提出し、改めて認定してもらう必要があります。

 

どうしていいかわからず、「更新」の時期になると筆者の元を訪れる(あるいは電話・メールなどでの問い合わせの方)方がかなりいらっしゃいます。

 

今回は、障害年金の「更新」について少し触れてみたいと思います。

 

 

 

 

 

障害年金の更新について簡単に説明しましょう

障害年金は、一度受給権がつくと永久に支給されるわけではありません。いや、一部永久認定をを受ける方もいます。しかし、ほとんどの方が、何年かに一度更新の手続きを行います。時には受給権が停止されることもあります。ですので、場合によっては年金が止まる(受給権が停止する)、あるいは等級が下がる(減額処分)ということもまれにあるのです。

 

障害年金の更新については、年金機構ホームページに詳しいので、関係箇所を張り付けておきます。興味のある方はご参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/shougai/jukyu/2019091905.html

 

更新の手続きはそれほど難しいものではありません。裁定請求の時に行った時のような面倒な手続きなどを行う必要はなく、診断書を主治医に記載してもらい、年金機構に提出するだけです。ですので、何か特別なことをする必要はありません。年金機構ホームページにも記載されていますが、診断書が、誕生日月の3か月くらい前に自宅に送られてきて、提出期限(誕生日の末日)までに年金機構に提出するだけです。

 

しかし、手続き業務としては複雑なことはないとしても、診断書を出すだけということは、受給者自身でコントロールできることはあまりないということです。ある意味不安になってしまうのかもしれませんね。

 

では、なぜ更新の際に年金が止まる(あるいは等級が下がる)のでしょうか。考えられることとして以下のことなどが挙げられるでしょう。

 

前回請求した時よりも、明らかに症状が改善した。

 

症状が固定した。(3級14号の方)

 

症状が改善したわけではないが、少し仕事をするようになった。

 

症状が改善したわけではないが、診断書の内容が「軽い」状態になっていた。

 

このあたりだと思います。

 

 

 

 

症状がかわらないのになぜ支給停止されるのか

 

前回請求した時より明らかに症状が改善したものや、症状が固定したケースなどは、もはやコントロールできるものではありません。年金が止められるのもある意味必然です。

 

しかし、症状があまり改善していないのにもかかわらず、年金が止められる(あるいは減額される)ケースなら少々納得できませんね。

 

>症状じたいそれほど改善したわけではないが、少し仕事をするようになった。

 

これは精神の障害の場合に特にあてはまるのですが、審査の際、特に重要視されるのは「日常生活能力」です。日常生活が「高い」とみなされた場合年金を支給しないなどの判断が下されます。そして、日常生活能力が高いということの証明として、「就労している」ということが挙げられるでしょう。

 

しかし、いつも思うのですが、仕事をしているからといって「日常生活能力」が向上したと単純に考えるということは非常に危険です。

 

例えば、障害基礎年金2級なら、月額6万5000円程度です。実家暮らしでなければ、なかなか生活できず、それこそ「吐きながら」短時間のアルバイトなどを始める方がいらっしゃるのです。結果、体調を崩し仕事を辞めてしまうなどを繰り返してしまいます。

 

これを、「仕事ができている」ひいては「日常生活能力が高い」と判断するのはひどすぎやしないでしょうか。しかし、現状こういった形で年金が止められる(減額される)ケースはないとはいえません。筆者も悔しい思いなのですが、これは中々コントロールできない問題ではあります。

 

>症状が改善したわけではないが、診断書の内容が「軽い」状態になっていた。

 

これはどういうことでしょうか。

 

まあ、なんというか診断書が「雑」に書かれたということでしょうね。診断書の内容がなぜか、前回のものより軽くなっていたりする。

 

病院が変わったとか、担当医が変わったとかそういうケースでこのようなことが起こります。

 

ですので、更新時期(年金証書で確認できます)が近づいてきたら、主治医に簡単に相談しておいたほうがいいでしょう。「そろそろ障害年金の更新があります。診断書を書いていただけますか」と。まず、最初はそんな感じでいいのではないでしょうか。また、できれば前回請求した時の診断書のコピーなどを、担当医に「ご参照ください」などと見ていただくといったことも有効になるかもしれません。コピーを取るのを忘れた方は、請求した年金事務所に問い合わせてみてください。

 

となると、主治医との信頼関係が大事になります。普段からしっかりといい関係を作り、自身の体調・日常生活の様子などを伝えておく努力は必要になるかと思います。

 

まあ、そういってもなかなかできるものではありませんので、少しづつやっていく感じでいいのではないでしょうか。

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