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精神科医・樺沢医師のYouTube「障害年金をもらうと社会復帰ができない?」を考察する

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

樺沢医師「障害年金をもらうと社会復帰ができない?」

 

こんにちは。社会保険労務士の中斉徳久です。札幌市厚別区で障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。

 

今日は、精神科医・樺沢先生(以下、樺沢先生)のユーチューブ「障害年金をもらうと社会復帰ができない?」を紹介させていただきます。

障害年金をもらうと社会復帰ができない?【精神科医・樺沢紫苑】 (youtube.com)

 

 

数カ月前、当コラムで、早稲田メンタルクリニックの益田医師(以下、益田先生)のユーチューブを紹介しましたと思います。貼り付けておきますので、興味のある方はご覧になってください。

精神科医・益田裕介先生がまたまたYouTubeで障害年金を解説していた|札幌ライラック社会保険労務士事務所 (nenkinman.com)

精神科医・益田裕介先生がYouTubeで障害年金を解説しました|札幌ライラック社会保険労務士事務所 (nenkinman.com)

 

益田先生は、どちらかと言えば、患者の障害年金申請について肯定的に捉えていて、「いっしょに作り上げていくもの」と発言しています。

 

一方、樺沢先生は、患者の障害年金の申請に対して、かなり否定的な考えをお持ちと感じられました。もちろん、これは筆者の感想でありますが・・・。

 

 

 

 

障害年金に否定的な樺沢医師。それにしても・・・

 

まず、樺沢先生は、障害年金をもらう大前提として、概ね以下のように話されています。

 

「症状固定しているか?ということが問われる。それは、何年も治療して色々な薬を試した、やれる治療をかなりやったが、これ以上よくなるみこみが少ないということ。今、治療中で色々薬を試している人は症状固定ではない」

 

「症状がよくなったり悪くなったりしている人は「症状固定」ではないので、障害年金が通らない可能性が高い。5年とか10年治療している方が、障害年金の一般的申請基準のイメージ」

 

「社会復帰するのは難しい状態の人への支援システムと考える」

 

うーむ・・・、なんでしょう。樺沢先生は、かなり精神の障害における障害年金について誤解をされているというのが筆者の率直な感想です。ちょっと言い過ぎやしないかと。

 

さらに樺沢先生は続けます。

 

「障害年金はもらわないほうがよい」

 

「障害年金をもらってしまうと、お金をもらえるわけですから、一生けんめい病気を治して、社会復帰しようという気持ちがなくなる」

 

「障害年金をもらっているほうがラク」

 

「障害年金をもらう状態になると、ふつうに仕事に復帰して障害年金が不要になりましたという人は、私の経験上いない」

 

「障害年金が出てしまうと、必死で直そうと思わないので、社会復帰の確率が減ってしまう」

 

「安易に障害年金をもらってしまうと病気を治す気持ちが薄れる」

 

何か、障害年金に何か恨みでもあるような発言に聞こえますね。繰り返しますが、これは筆者の感想です。

 

 

 

なぜ生活保護はいいが障害年金はダメなのか?

 

樺沢先生の発言には、以下の点で、違和感を覚えます。

 

まず、勝手に認定基準の解釈を捻じ曲げている。

 

障害年金をもらう大前提として「症状固定しているか?ということが問われる」とし、「症状がよくなったり悪くなったりしている人は「症状固定」ではないので、障害年金が通らない可能性が高い」、「社会復帰するのは難しい状態の人への支援システムと考える」などと断言している。

 

そんなことは、障害年金の認定基準には全く記載されていません。精神の障害の認定基準を貼り付けておきますので、興味のある方はご覧ください。

3-1-8.pdf (nenkin.go.jp)

 

何を根拠におっしゃっているのか是非とも聞いてみたいものです。

 

そして、「障害年金をもらってしまうと、お金をもらえるわけですから、一生けんめい病気を治して、社会復帰しようという気持ちがなくなる」といった発言。

 

筆者は、障害年金を受給し、何年かかけて完全に社会復帰している人を何人も見ています。また、福祉的サービスを利用し、すこしづつ訓練を積んで、将来的に安定した就労につけるよう努力している障害年金受給者は少なくないです。「障害年金をもらってしまうと、一生けんめい病気を治して、社会復帰しようという気持ちがなくなる」とはちょっと言い過ぎのような気がしますね。

 

また、樺沢先生は、大多数の精神科医が障害年金を否定しているような話をされていましたが、そんなことはありません。もちろん、そういう精神科の先生にも何度かお会いしたことがありますが、「お金がなくて治療に来られなくなったらそれこそ言語道断だ」という医師もたくさん見ています。

 

最後に、樺澤先生はなぜか生活保護受給については肯定的な発言をしています。「生活保護ならいい」と。

 

なぜ生活保護はよくて障害年金は悪いのかがよくわからない。「生活保護は所得が増えれば打ち切られるからいい」といっているが、障害年金もそれほど変わりません。特に精神の障害の場合、就労し安定した収入を得られれば打ち切られるのはいっしょなのです。

 

実のところ、樺沢先生は障害年金のことをよく知らないで、勝手なイメージで発信しているのではないでしょうか。影響力が大きい方なので、公に発言する時はよく勉強されてからおっしゃられたほうがよいと思います。

 

樺沢先生は。タレントとしても活動。浅井企画に所属しています。

 

浅井企画といえば、欽ちゃんこと萩本欽一さんがトップに君臨する事務所です。

 

あの大将が、一連のコメントを聞いてどう思うのか。

 

けっしていい印象を得ないと思うのですが・・・。

 

おっと、しつこいようですがこれは筆者の感想ということで。

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