執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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医師によって診断書の見解が大きく変わることってあるのでしょうか?
Q 40歳 女性(傷病名:うつ病)
うつ病を患い10年以上経過。アルバイトもままならず、通院しながら実家にこもる生活を送っています。
さて、数か月前に障害基礎年金の請求を行ったのですが、なぜか不支給でした。
理由はよくわからないのですが、どうも2級に該当するほど症状は重くないとのことです。社労士さんのやっている障害年金の「無料相談」に行き、診断書のコピーを見てもらったのですが、「この診断書では2級はきびしい」とのことでした。「きびしい」とはどういうことですかと質問したところ、つまりは「症状が軽い」とのことだと言われました。
障害年金の不支給の結果が出た後、担当の先生にその報告をし、今後の相談をしたのですが、あまり相手にされませんでした。それで、その先生に不信感を覚え、病院を変えました。
転院先で数回受診後、現在の担当の先生より「障害年金を請求したらどうか!」と勧められました。どうも私の症状はかなり悪化しており、すぐに診断書を書いて障害年金を請求すれば必ず通るはずとのことです。
それにしても、不思議です。私の症状はここ数年ほとんど改善せず、数か月前に障害年金を請求した頃と現在の状態はほとんど変わりありません。前回請求した障害年金ではなぜ診断書において「症状が軽い」ということになり、現在の主治医によれば「必ず通る」ということになるのでしょうか。
医師によってこんなに見解がかわるものなのでしょうか?
<精神の障害>年金の診断書の内容は医師によって大きく変わる
札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。
うつ病を長年患われて、ずっと仕事をできない状態が続いている。そして障害年金を請求するも、診断書の内容が「軽い」ということで不支給になった。それで医師に不信感を持つようになり転院したということですね。
転院先の医師から、「障害年金を請求すればすぐに通るのでは?」と勧められたということですが、片方の医師の書いた診断書は「軽く」て、別の医師は「必ず通る」といったことに対して、よく意味がわからないということでしょう。
結論から言えば、そういうことはよくあることです。特に精神の障害における診断書は、記載医によって内容が大きく変わるということです。どちらがいいとか悪いとかいうことではありません。その医師によって見解が大きく分かれることはよくあることかと思います。
理由は色々あると思います。まず、その医師に患者の日常生活能力などについてあまり伝わっていなかったということがあるでしょう。診察室での状態と家での状態では「見え方感」が変わってくるということもあるかもしれません。
また、ひょっとすると、医師は「2級」だと考えて書いたものが、認定医から見て「軽い」ということも往々にしてあるものです。
逆もしかりです。いつでしたか、先生が「3級相当」と思って書いた診断書が、思いのほか「2級」になったということがあります。患者さんが先生に報告にいったところ、先生はぽかんとしていたというんですね。「何で2級?」と。
つまり、あんがいいい加減なものだということです。
これはある意味怖いことでもあります。ですので、行政に提出する前に、内容をチェックして、納得がいかなければ先生に相談するということもありかと思います。
とはいえ、診断書記載後に話をきいていただける先生ばかりではありませんので、むしろ診断書依頼する前に、ご自身の日常生活能力などをしっかりと伝えるなど、診断書について相談できればいいですね。
いすれにせよ、これは永遠のテーマでしょう。