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「がん」での障害年金受給はとてもハードルは高い

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

がんで障害年金の受給は可能ですが・・・

 

がんは障害年金の対象になる傷病です。

 

しかし、受給するにはちょっとハードルが高い。それは、障害年金の現場に長年いてつくづく思います。

 

最近は、ツイッターなどで「がんで障害年金をもらえる」などの情報が流れてきることもありますが、かなり症状が重く仕事もままならない状態でも、障害厚生年金3級を受給するのがやっとというのが実際のところです。

 

弊社に相談にいらした方(川田利子さん・52歳・仮名)は、数年前に乳がんを患いました。そして1年ほど前に、他の社会保険労務士を代理人に立て障害年金を請求するも、結果は不支給でした。

 

再請求したいとのことで、弊社を訪れたのです。

 

 

 

診断書はのちょっとした文言が命取りになることもありうる

 

診断書を拝見しましたが、見ていてつらくなるほど症状はよくはありませんでした。

 

他位にも転移し、複数回の手術。不定期に抗がん剤治療をやりながら、週3回短時間のアルバイト(しかもリモート)をやっていたものの、抗がん剤の副作用もあり、仕事は満足にこなせなかったようです。

 

診断書項番⑫「一般状態区分」は『イ』。備考欄に『余命は2年』と記載されています。これは、まさに障害厚生年金3級の症状です。

 

 

少し前なら、簡単に受給できたような案件です。そ れが「不支給」だったのです。 原因を考えてみました。ひとつ思い当たることがございました。それは診断書項番⑯に「日常生活はほぼ自立している。」という文言です。 確かに、つらいといっても、週3でアルバイトをしていたら、みようによっては「自立している」ように見られるでしょう。たぶん担当医は「やっと頑張ってなんとかできている」という意味合いで書かれたと思います。

 

ところが、保険者の見解は違います。「総合的に見て・・・」、保険者の好きな言葉です。

 

「総合的に見て、3級の状態にあたらない。」 最近よく見られる保険者の見解です。年金を支給しない材料を診断書からあざとく見つけ「総合的に」判断して支給しないというのが、このところの常套手段であります。

 

相談者の女性は、弊事務所の社会保険労務士を立てて、即請求。 担当の先生に現在の状態を説明し、「日常生活は非常に困難な状態」とご記載いただき、無事障害厚生年金3級がきまりました。

 

もちろん、それだかが支給事由ではないかもしれませんが、ある意味診断書はイメージが重要なポイントになることもあり得ます。

 

がんのような「その他の障害」は、医師が備考欄などに記載したちょっとした文言が命取りになるので要注意でございます。

 

そこまでせずとも、保険者はそれこそ、いい意味で「総合的」い見て、支給していただければいいのですが、なかなか難しいものですね。

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