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脳梗塞発症し高次脳機能障害に 6ヵ月症状固定で障害年金は請求できるのか?

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

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Q脳梗塞発症し6ヵ月経過 症状固定したら障害年金を請求できるのか?

50代女性。半年ほど前、仕事中に脳梗塞を発症し緊急入院しました。

 

幸い身体には障害が残りませんでしたが、高次脳機能障害を患い、仕事に支障をきたすようになりました。

 

つい最近、医師より「症状は固定している」と言われたのですが、そこで質問がございます。

 

障害年金は、基本的なはなしとして、初診日から1年6ヵ月経過しないと請求できないとのこ

とです。しかし、脳梗塞などの脳血管障害などにおいては、特例として6ヵ月経過後に「症状固

定」が確認できれば、障害年金の請求ができると聞いております。

 

それが本当なら、すぐにでも請求したいと考えております。私は、今すぐ障害年金を請求できるのでしょうか。

 

 

 

 

A脳梗塞 6ヵ月の症状固定で障害年金を請求できるのは肢体の障害のみ

 

札幌市厚別区で社会保険労務士をやっている、中斉と申します。障害年金の請求代理業務・

(再)審査請求などを主に行っております。

 

半年ほど前に脳梗塞を発症し、肢体には障害が残らなかったものの、高次脳機能障害の症状が

残ったのですね。それで、症状が固定したと。

 

そして、この場合1年6ヵ月経過せずとも障害年金の請求ができるのかというご質問ですね。

 

平成30年3月1日発行の年金機構の機関紙「かけはし」には、「 初診日から起算して1年6

月を経過する前に障害認定日として取り扱う事例 」が記載されています。それを添付しておき

ますので、ご参照いただければ幸いです。https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/cooperator/shikuchouson/kakehashi/20180301.files/20180301.pdf

 

たしかに、その事例のひとつとして脳血管障害による機能障害が挙げられております。そこに

は、「脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から起算して6月経過した日以降

に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるときに認定される

ため、請求すれば必ず認められるものではありません。」と注釈つきですが発症以降6ヵ月経

過後に、1年6ヵ月経過せずとも障害年金を請求できる場合があると記載されています。

 

つまり、相談者様の言う通り、脳血管障害を患い6ヵ月経過し、医師より症状が固定している

と認められれば、障害年金が請求できる場合があるということです。

 

しかし、その診断書は「肢体」のもののみとされ、高次脳機能障害などの「精神」の診断書に

おいては、適用されているとは書かれていません。精神の障害において「症状固定」という概

念がないため、高次脳機能障害においてはあてはまらないということなのでしょう。

 

つまり、脳梗塞といえども、高次脳機能障害で障害年金を請求する場合は、初診日から1年6

ヵ月経過しなければならないということです。

 

相談者様も、現時点での請求はきびしいものと思われます。

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