執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。
「社労士に依頼すれば障害年金の等級を上げることができるのですか?」
札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。
仕事柄、色んな方から障害年金などについて相談を受けます。
その中で、よく聞かれることとして「社労士さんに障害年金の請求を頼めば、2級のものを1級にしてくれるなんてことがあるのですか?」といったものがあります。
これは本当によくある話です。結論から申し上げて我々社労士にそのような「力」はありません。少なくとも筆者にはありません。
もちろん長年この業務をやっていて、本人が請求していたら2級になりそうなものを1級に(3級になりそうなものを2級に)できたことは何度かありますし、不服申し立てを行ったことで等級を上げたこともあります。しかし、障害年金の等級を「力技」で上げることなどできるものではないのです。
「じゃあ、誰がやってもいっしょなんですね。では依頼せず自分でやります」と言われることはしょっちゅうあります。
では、障害年金請求代理業務を行う社労士など何の存在価値もないのでしょうか?
自分にもそう問うことがあるのですが、やはり、我々のような障害年金の請求代理業務を行う社労士はけっして無為な存在ではないと思うのです。
社労士に依頼するメリットはあるのか?
では、障害年金請求において社労士を使うメリットは何なのでしょう?
2級を1級にする力はなくとも、長年実務をこなしているので、ある程度の知識もあり当然ですが粛々と作業を進めていくことができます。これはあたりまえの話なのですが、案外軽んじられていることでもあります。
弊社は障害年金の無料相談を行っているのですが、メール・電話で何度かやり取りをして、「さあ、作業をすすめていきましょう!」という段階になって連絡がつかなくなる相談者様が何人もいらっしゃいます。
そういった場合、弊社では「ご縁がなかったのかな~」と後追いしないのですが、1年くらい経過したところで、再び戻ってくる相談者様はかなりの頻度でいらっしゃいます。
「どうなされていたのですか?」と聞けば、自分でやろうとしてわからなくなってやめてしまった、というような理由ばかりです。
さらにつっこんで聞くと、「社労士さんを頼めばお金がかかる」もしくは「社労士さんのことがどこか信用できなかった」などとも言われます。信用されないというのは、我々の不徳の致すところかもしれませんが、もっとも気になるコメントは「社労士さんを頼めばお金がかかる」というものです。
はたして、それほど「お金がかかる」のでしょうか?
と言いますのも、初回の相談から作業が進まず1年以上時間が経過したということは、それだけ年金の支給が遅れてしまっているというふうにも解釈できます。支払うものはないものの、貰えたお金をミスミス逃してしまったのではないかと・・・。
もし、初回の相談から何度かやり取りしていた段階で、弊社に依頼していただけたなら・・・、その数か月後には年金が支給されていたであろうケースを何度もみてきました。
あたり前のことをあたりまえにこなすことも大事な仕事です!
また、初回相談で何度かやり取りをしているうちに、「これなら自分でできる」と本人請求したものの不支給となってしまい、改めてご相談に来られる方もいらっしゃいます。そこで提出した書類のコピーをみせていただくと、「大きなミス」をされていることが多いのも事実です。どんなミスかはここでは触れませんが、あきらかにミスをおかしている。まあ、後悔先に多立たずというしかないのですが、本当に惜しい話です。
もちろん、社労士がやろうとも誰がやろうとも、支給されないものはされません。しかし、やるべきことを普通にやっていれば受給できていたと思えるような案件をみるたび、とても惜しい気がしてなりません。
「2級のものを1級にする」ことは無理でも、「2級のものを2級にする」ことを確実に目指すことはけっして無為なことではないのです。
それでも社労士さんは信用できない?
皆様に信用されるよう、いっしょうけんめいがんばりますので、どうかよろしくお願いいたします(笑)。