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障害年金 がんで申請は可能 しかし現実はきびしい

 

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

Q 乳がんで障害年金を申請 3級の受給は可能か?

 

57歳女性。1年半前、乳がんで左乳房を切除しました。

 

術後行っていた抗がん剤治療は終了し、現在は外来でホルモン治療を行いながら、短時間のパート(スーパーの品出し・週5日)を行っています。

 

しかし、治療によるものかわかりませんが倦怠感は強く、以前のように動くことは難しくなっております。家事も思うようにできません。仕事を週3日くらいに減らし、障害年金をもらいながらのんびり生活できないかと考えております。初診日は厚生年金で納付要件もあるみたいですが、障害年金3級くらいはもらえないでしょうか。

 

 

 

 

A 週5で仕事をしている方の3級はきびしい

こんにちは、社会保険労務士の中斉と申します。

 

ここ数年、がんで障害年金の申請をしたいというご相談をよく受けるようになりました。あるいは、がんで障害年金を申請したものの3級不該当となり、不服申し立てを検討している方のご相談も少なからずございます。相談者様は、「初診日は厚生年金、3級くらいはもらえないだろうか」ということですが、筆者の見立てでは、3級といえども受給は非常に難しいのではないかと考えます。

 

最近実務を行っていて、がんでの障害年金の申請は非常に難しいというのが正直なところです。つまり簡単には支給されない。そう考えてざるを得ません。

 

先日、がんで障害厚生年金を申請したものの、3級不該当で不支給だったという50代女性が不服申し立てをしたいということで相談に来られました。その方は卵巣がんでステージ4、診断書備考欄には「余命は2年」と記載されていて、入退院を繰り返しながら凄まじい治療に耐えてきました。最近はコロナの影響もあり、リモートで簡単な事務作業をしていましたが、徐々に稼働時間が減りつつあり、障害年金を申請したということです。その結果が3級不該当。診断書を隈なく読みましたが、なぜ年金が出ないのかがよくわからない。現在も通院で抗がん剤治療を定期的に受けていて、一日の半分近くは寝たきりで、寛解にもほど遠い状態の方でも3級不該当になるというのが現実です。もちろん、審査請求は進めています。不服申し立てをし結果が覆ることもじゅうぶん考えられるからです。それと並行し、新たに事後重症請求も検討しています。

 

相談者様は辛さに耐えながらも、週5日パートを行っている状態で、日常生活はある程度自立しているように見受けられます。たぶんですが、今障害厚生年金を申請しても、3級不該当となることはちょっと厳しいでしょう。老齢年金の受給もまだ先のことですので、仕事も続けなくてはいけないのでしょうが、あまり無理せず、お体ご自愛いただけるよう祈るばかりです。

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