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アルコール依存症と転倒による小脳出血 高次脳機能障害での障害年金の請求

 

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。大学卒業後民間企業を経て、社会保険労務士になる。15年間障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

Q アルコール依存症を患う夫が家で転倒

  小脳出血になり高次脳機能障害 初診日は?

先日、長年(10年くらい前から)アルコール依存症を患う夫が家で転倒し出血するほどの大けがを負いました。救急搬送で運ばれた病院では「小脳出血」であると言われました。

 

ICUで数日過ごしたものの、幸い命に別状はなくほどなく回復しました。しかし、その事故を契機に記憶力が相当低下してしまったのです。

 

記憶力が低下というか、数秒前におきた事柄すら記憶する能力がほぼ奪われてしまったというのが実際のところです。もはや単身で行動することは不可能だと医師から言われております。

 

現在、救急搬送された病院から離れ、精神科に入院。このまましばらく入院生活が続きそうです。病院から「障害年金を請求したらどうか」と勧められているところです。担当医によれば、病名は「アルコール依存症による高次脳機能障害」とのことです。

 

この場合、初診日はいつになるのでしょうか、アルコール依存症を患い病院を受診した日なのか、それとも転倒して小脳出血と言われた日なのか。非常に迷っております。

 

担当医に、小脳出血を患って以来記憶力が低下したのだから、初診日は、アルコール依存症の日ではなく、転倒した日ではないのか?と聞いたのですが、医師がそのあたりは不明とコメントしました。

 

ちなみに、アルコール依存症と言われた時も、転倒し救急搬送された時も厚生年金の被保険者でした。

 

 

 

 

 

A はじめて2級の請求はどうでしょうか!

 前発障害「アルコール依存症」後発障害「小脳出血」

札幌市厚別区で社会保険労務士を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを手掛けて15年になります。

 

著しい記憶力の低下により、「数秒前におきた事柄すら記憶する能力がほぼ奪われてしまった」という状態なら、じゅうぶん障害年金2級以上は可能だと思われます。

 

では、初診日はいつかと言う話になってくると思いますが、けっこう悩むケースですね。

 

医師が診断書に記載した傷病名は「アルコール依存症による高次脳機能障害」ということですが、転倒後の「小脳出血」後に高次脳機能障害が顕在化したのならば、この症状の原因となるものの多くは「転倒→小脳出血」によるものと考えられるでしょう。

 

となると、この初診日は転倒した日でいいのかといえば、そうも言い切れないような気がします。

 

というのも、医師が下した診断名が「アルコール依存症による高次脳機能障害」とあり、常習的なアルコールの摂取による病歴がある以上、「転倒→小脳出血→高次脳機能障害の顕在化」ということだけがこの状態の原因であるとは言い難く、アルコール症のことをそっちのけにし転倒した日を初診日とすることには無理があります。

 

そして、「アルコール依存症」と「転倒」を相当因果関係があるとも言い難い。つまり、同一傷病ではないと解釈できると思います。

 

どうしたらいいものか・・・

 

とりあえず、筆者なら、「はじめて2級」の請求を試みるでしょう。基準障害というやつです。

 

前発傷病:アルコール依存症

後発傷病:小脳出血・高次脳機能障害

 

幸いどちらも厚生年金加入中のものですので、障害厚生年金として請求できます。

 

まあ、とりあえず、今言えることはそのくらいですね。

 

もちろん、他の見解もあるとは思いますが・・・。

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