執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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審査請求で共済障害年金2級が認められた場合の年金生活者支援金の運用はどうなるだろうか?
社会保険労務士の中斉徳久です。札幌市厚別区で障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。
年金生活者支援金については、なにがしかの公的年金を受給している方や裁定請求をしようとしている方のほとんどがご存じのことかと思います。
障害年金生活支援金においては、2級以上の受給者で前年の所得がある金額以下(※現在は4,721,000円+扶養親族の数×38万円以下)の方が支給されます。今年の支給金額は、1級の方が月額6,638円、2級の方は月額 5,310円となっております。
さて、その障害年金生活者支援給付金において、最近ちょっとおもしろい話がありましたので、皆さまにご紹介したいと思います。
即答できない年金機構・共済組合 なぜ??
昨年、某共済組合に精神の障害年金を請求したのですが、そこからこの話は始まります。
年金機構に請求する障害年金と違い、実施機関が共済の場合その共済組合に請求するのですが、なぜか年金生活者支援給付金だけは別途年金機構に提出することになっています。とても面倒くさいのですが、まあこれにあらがっても仕方ないのでその時もそうしました。
問題は、その方の年金が3級となったことです。
支援給付金は2級以上の方しか支給されないことは多くの方がご存じだと思いますが、もしこれが審査請求をして2級が認められた場合どうなるのか?これに対しては案外考えたことがない人が多いでしょう。筆者もその一人でした。
そして、この方は審査請求で2級が認められたのです。
常識から考えて、裁定請求した時に戻って支援金は支払われると考えるでしょう。しかし、一度3級の年金がきまったとなれば、「支援金は支給しない」という決定がでています。当然この決定に対しての不服申し立てなどするはずもない。
ということは、ひょっとして再度、支援金の請求をしなければならないのか。そして請求の翌月から支援金が支払われるのか?そういった疑問も出てくるのです。
不服申し立てで、2級が認められた場合は、支援金はどのように運用すされるのか?
些細なことではありますが、筆者は非常に心配になり、某年金事務所に問い合わせました。
しかし・・・、しっかりとした回答をできる方がいなかったのです。
某年金事務所の担当者は、「常識で考えれば、年金と支援金はセットで支払われるものですので、3級から2級に処分が変更したとなれば請求時の遡って支援金が支払われると考えますが、こういったケースはあまり扱ったことがないので、はっきりとした回答はできません」とのことでした。「確認し、折り返しお電話します」と一度持ち帰ったのですが、後日きた電話でも「たぶん、支援金は請求時にさかのぼるものと思いますが、共済さんの見解を聞いてみなければなりません」と歯切れの悪い回答。
その後、共済担当者に問い合わせると「支援金は年金機構さんの管轄ですので、こちらでは回答できません」といっさい取り合ってくれませんでした。
どうなるのか、支援金。
結論としては、支援金は裁定請求に遡って支給されましたが・・・
結論から述べて、支援金は裁定請求の頃にさかのぼって支給されました。
支援金は始まってからまだ日が浅く、こういったケースが少なかったため、しっかりとした回答が定まっていなかったのかもしれません。
しかし、この程度のことに対して、誰も責任をもってはっきりとした回答をできないというのは、いかがなものでしょう。
まあ、結果オーライということでよかったです。
今後は、行政の方もしっかりとした対応をしていただけるよう祈っております。