中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。札幌市厚別区厚別中央を拠点に、10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。
「資格を取ると貧乏になります」(佐藤留美・新潮新書)に記載された記事
社会保険労務士は「怠け者の片棒を担ぐ有資格者」
札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉徳久と申します。
今から8年くらい前、「資格を取ると貧乏になります(著:佐藤留美・新潮新書)」という本が書店に並び小ブレイクしました。本書は、現在に至るまでじわりじわりとロングセラーになっているようです。
内容としては、弁護士・公認会計士・税理士・社労士など、いわゆる「一流の資格」を取ったものの、それに胡坐をかき、食えない有資格者が増えていることを揶揄するようなものだったのですが(※よく読めばそれだけではなく、資格を取っただけではダメで、その後の努力や工夫しだいで活路を見いだせる、といった内容ともとれる著書でした)、その本の中に以下の文章があったので、一部引用させていただきます。
鬱病患者の「障害年金」申請でひと儲けまた、急増中の「鬱病患者」も、利にさとい社労士にとっては格好のターゲットになる。「鬱病患者は、状態や地域によっては障害者扱いができ、「障害厚生年金2級」の資格を得て、年間200万円近く、国から年金を得ることができます。さらに、鬱病の初期患者は、自立支援医療制度を利用すると医療費が1割負担になります(有効期限は1年)。こうした申請をして、10~15パーセントの手数料を得る社労士や、障害年金を受け取る方法をディスクに焼いた情報商材をネットで売る社労士が出現中です」(都内開業社労士)だが、ある精神科医は、社労士が裏から手を回した「障害年金受給目当ての鬱病患者」が増えると、「本来、障害年金を受け取るはずの深刻な鬱病患者が得られず不利益が生じる場合がある。明らかなモラルハザードだ」と警鐘を鳴らす。恐らく、こうした手続きをやっている社労士も、本当に困った人ではなく楽して生きたい「裏ワザ」探しに余念がない怠け者の片棒を担ぐのは、やりきれないのではないだろうか。(本書152~153ページより)
『鬱病患者の「障害年金」申請でひと儲け』とは、ちょっとひどい書き方です。
著者はどういうつもりで、書かれたのかわかりませんが、けっしていい表現ではありませんね。
「障害年金受給目当ての鬱病患者」などほぼいない
本書の著者、佐藤留美氏は、障害年金請求代理業務を行う社会保険労務士を「楽して生きたい「裏技探し」に余念のない怠け者の片棒をかつぐ」といった言葉で表現しています。
筆者は、障害年金の請求代理業務を行うようになって10年以上なりますが、佐藤留美氏の言うような「障害年金受給目当ての鬱病患者」や「楽して生きたい怠け者」などと言われるような方は、ほとんど会ったことがありません。
実際、そのような思惑で障害年金を受給できるほど甘いものではなく、担当の精神科医も、それこそ「楽して生きたい「裏技探し」に余念のない怠け者の片棒をかつぐ」社会保険労務士の言いなりになることなどないのです。
そんなに簡単なものではないということです。
そもそも、精神疾患にかかっている患者が、楽をしたいから年金をもらいたいわけではなく、仕事ができないから年金を請求しているだけです。そんな方々にお役に立てるよう我々は日々精進しているのであり、「楽して生きたい「裏技探し」に余念のない怠け者の片棒をかつぐ」ために仕事をしているわけではありません。
そう考えると、障害年金請求代理業務を行う社会保険労務士は、けっして「警鐘を鳴らされる」ような存在ではないはずです。
しかし、そういった揶揄されがちな存在であることは、事実として受け止めなくてはならないかもしれません。
我々のような、障害年金請求代理業務を行う社会保険労務士こそ、気持ちを引き締め、利用者様から感謝されるよう、努力し続けていかなければならないということですね。