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化学物質過敏症で障害年金は請求できる?

 

中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。札幌市厚別区厚別中央を拠点に、10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。      

 

 

 

化学物質過敏症で障害年金は受給できるのでしょうか?

(相談者:53歳男性・会社員)

 
53歳男性、無職。
 
 
相談の趣旨としましては、「化学物質過敏症で障害年金を受けられるのか?」ということでございます。
 
 
私は、化学物質過敏症と診断を受けてから、10年以上患っております。当時も今も会社員です。
 
 
微量の化学物質(芳香剤・香水・印刷物など)に曝されると、様々な症状(頭痛・倦怠感・胸の苦しさ・目のしょぼしょぼなど)が現れます。しかし、化学物質に曝されない状況が続けば、症状は若干改善します。
 
 
現在勤めている会社は理解のあるほうで、個室での事務作業やリモートでの作業など、なるべく人と会わないような環境を用意してくれるのですが、週に1度必ず出社しなければならず、その際に体調を崩してしまいます。ここ数ヶ月は特に体調が悪く、仕事にならない時が多く、会社を辞めることを考えております。
 
 
最近、化学物質過敏症で障害年金を受給できると聞いたのですが、本当でしょうか。
 
 
もし、受けられるとしたら、ぜひとも請求してみたいです。
 
 
 
 

化学物質過敏症で障害年金は受給できる

 

札幌市厚別区で社会保険労務士を運営している中斉と申します。
 
 
化学物質過敏症という傷病で障害年金を受給することは可能ですし、幣事務所でも過去に何度か化学物質過敏症で請求し、受給できました。
 
 
いわゆる難病と言われている傷病ですが、平成24年に厚生労働省から化学物質過敏症の認定事例が出され、この傷病での認定例は増えていると言われています。
参考までに、認定事例を添付しておきます。
 
 
診断書は、「その他の障害」の診断書を使います。診断書で重要なポイントとして、診断書項番⑫「一般状態区分表」があげられます。
 
 
そして、「その他の障害」の認定基準には以下の記載があります。
 
 
『 障害の程度は、一般状態が次表の一般状態区分表のオ(身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの )に該当するものは1級に、同表のエ(身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50パーセント以上は就寝しており、自力では野外への外出がほぼ不可能となったもの)又はウ(歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの)に該当するものは2級に、同表のウ又はイに該当するものは3級におおむね相当するので、認定に当たっては、参考とする。』
 
 
相談者様は、現在、様々な症状で苦しまれていますし、会社も辞めなくてはいけないほどの状態ですので、認定基準の一般状態区分は「ウ」か「エ」ではないでしょうか。
 
 
そして、私が認定する立場にないのではっきりとしたことは言えませんが、現在若干仕事が出来ているということで、障害年金3級で着地するのではないかと思います。ただし、初診日で厚生年金に加入していて、納付要件があるということが前提です。
 
 
さて、その他の障害の認定基準の話に戻りますが、上記の文言を見る限り、一般状態区分が「エ」だけでなく、「ウ」にチェックされていても2級になる可能性はあると解釈できます。
 
 
しかし、幣事務所で知る限り、当傷病で「ウ」についている場合、たいがいは2級になることはありませんでした。仕事をしていない状況であるにもかかわらずです。
 
 
しかし、最近、一般状態区分の「ウ」にチェックされていて2級になった例がありました。
 
 
つまり、必ずしも「エ」ではなくても2級と認定されることもあるのです。ただし、このお客様は仕事をしていない状態で請求したものです。
 
 
長くなりました。
 
 
結論からいって、化学物質過敏症での障害年金の受給は可能ということです。しかし、2級での受給はかなり厳しいということでしょう。
 
 
また、当傷病に関しては、請求の際に「障害年金の請求にかかる照会について」という用紙を主治医に記載してもらい添付する必要がありますので、忘れず医師に依頼してください。
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