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共同通信の障害年金の記事「支給の可否などの判定を委託している医師の一部に対し、支給を絞る方向で判断を誘導している可能性がある」

 

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。大学卒業後民間企業を経て、社会保険労務士になる。15年間障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

 共同通信 「支給の可否などの判定を委託している医師の一部に対し、支給を絞る方向で判断を誘導している可能性がある」

 

札幌市厚別区で社会保険労務士を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを手掛けて15年になります。

 

令和7年3月13日の共同通信の障害年金の記事は大反響を呼びました。同社がサンプル調査したところ、2023年と比較し2024年の精神における障害年金の不支給率が2倍に膨れ上がっているというはなしです。全傷病においても1.6倍と非常に厳しい状況とのこと。それについては筆者も弊社HP内のコラムで「考察」を書かせていただきました。ここに添付しておきますので、興味のある方はご覧になってください。

共同通信の記事「障害年金、不支給が増加か 24年、精神・発達は2倍」を考察する|札幌ライラック社会保険労務士事務所

 

さて、同記事の続報が相次いでおりますね。こちらについても添付させていただきます。

【独自】障害年金、不支給が倍増3万人に 24年度、幹部交代で厳格化か(共同通信) – Yahoo!ニュース

【独自】障害年金判定、判断誘導の可能性 機構、医師の傾向と対策文書作成(共同通信) – Yahoo!ニュース

 

どうも同記事等は、内部からのリークが根拠となっているようです。

 

記事を引用します。

 

障害者に支給される国の障害年金を巡り、審査の実務を担う日本年金機構の職員側が、支給の可否などの判定を委託している医師の一部に対し、支給を絞る方向で判断を誘導している可能性があることが内部文書や職員の証言で29日、分かった。

 

障害年金センターの職員は「センター長が厳しい考え方の人間に交代し、その意向が働いている」と証言している。

 

これが本当だとしたら大問題です。公的年金制度の公平性連続性を棄損する行為にあたるからです。

 

同記事等によれば、「内部文書について年金機構は取材に対し「判定医に関する情報や取り扱いについては、回答を差し控える」としている。」とのことですが、これでは説明責任を果たしているとはいえませんので、いずれにせよ記者会見をやるなどし、釈明していただきたいものです。

 

 

 

 

厚生労働大臣が 「調査を指示」 世論はたかまりつつあるのか?

 

ゴールデンウイーク明け、さらにことは進んでいることがわかりました。

 

5月7日の共同通信の記事です。貼り付けておきますので、興味のある方はご覧ください。

【速報】厚労相、障害年金不支給急増巡り調査指示|47NEWS(よんななニュース)

 

一部引用します。

 

福岡資磨厚生労働相は7日の衆院厚労委員会で、早期の実態把握に向けて日本年金機構などに抽出調査を指示したと明らかにした。

 

ちょっと大きな話になっていきましたね。

 

いまひとつメジャーなニュースになりきってはいないのですが、もっと世論が高まっていくよう筆者も微力ながら訴えていきたいと思います。

 

しかし、年金機構のセンター長が2023年10月に交代したことだけに問題を矮小化することはたいへん危険であると筆者は思います。

 

それ以前にも、障害年金の認定において、おかしなことはたくさんあったからです。

 

年金機構のみならず、地方厚生局の社会保険審査官の審査においても、特にここ数年は「恣意的な解釈」と思われる決定が下されているような気がしてなりません。恣意的というよりは、書類を右から左に受け流すような、いわゆるテキトーな対応が増えたような気がするのです。気のせいだと言われるかもしれませんが、とても審査対象資料を隈なく見ているとは思えないような文言で決定書が綴られているのを見て、筆者は何度ため息をついたかわかりません。

 

そういえば昨年、筆者が参加した社会保険審査会の公開審理においても疑問を呈することがありました。10万人に一人いるかいないかという難病(国の指定難病ではないのですが)の方の再審査請求です。

 

筆者が、担当医(専門医)から医学的根拠をもとに意見書をもらったのですが、それに対して社会保険審査会の委員の一人が、「それはその医師の感想ですよね」と発言されたのです。「医学的根拠はゼロだ」と。その方は否定するかもしれませんが、少なくとも筆者はそう受け止めました。

 

たぶんですが、その時の認定医は、その傷病において専門医ではないはずです。しかし、その担当医は具体的な臨床実積はわかりませんが、少なくともその専門医として日々患者をみているわけです。

 

専門医でない医師が審査を行い、専門医の意見書を「感想」と一蹴する。

 

そんなシステムを容認するわけにはいけません。

 

そもそも、担当医の意見書を「感想」というなら、提出した診断書じたいが「感想」となってしまうのではないでしょうか。

 

まあ色々書いてきましたが、今回の「事件」をきっかけに、障害年金という制度のおけるあらゆる矛盾点が明るみになり、いい方向に向かっていけるよう、筆者も微力ながら頑張っていきたいと思います。

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