執筆者：中斉徳久（社会保険労務士）

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。１０年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は１０００件を超える。事務所所在地：札幌市厚別区厚別中央３条２丁目１０－１０ー１０２。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩９分。

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息子がアルバイト　１８０万円超えの収入となる　扶養はずれるのか

相談者：母親（知的障害で障害基礎年金を受給している２９歳息子にかわり相談）

知的障害で障害基礎年金を受給している２９歳の息子のことでご相談です。

息子は、知的障害で２０歳の誕生日に障害基礎年金を請求。現在に至るまで受給しております。健康保険は夫の扶養という扱いになっております。

さて、その息子ですが、今年の１月から、障害者雇用でアルバイトをはじめました。アルバイトの収入はたいした額ではないのですが、障害基礎年金と合わせると年額１８０万円を少しだけ超えてしまいます。

夫の加入する健康保険組合から、「障害年金と給与を足した額が１８０万円以上の場合、息子さんは扶養の対象からはずれ、ご自身で国民健康保険に加入しなければなりません」と言われました。

私の認識では、障害年金は収入としてカウントされるものではなく非課税であるため、なぜアルバイト収入と足した額が１８０万円を超えるという理由で、健康保険が夫の扶養からはずれるのか意味がわかりません。

本当に、障害年金と給与を足した額が１８０万円以上の場合、息子さんは扶養の対象からはずれ、ご自身で国民健康保険に加入しなければならないのでしょうか？

障害基礎年金とアルバイト収入　１８０万円以上だと健康保険の扶養からはずれる

札幌市厚別区で社会保険労務士をやっている、中斉と申します。障害年金の請求代理業務・（再）審査請求などを主に行っております。

おっしゃる通り、健康保険組合の方の言う通りです。

障害年金は、たしかに非課税であり、税法上収入という扱いではありません。しかし、社会保険（健康保険・国民年金）の法律においては、収入としてカウントされるので、障害基礎年金とアルバイトの収入を足した額が１８０万円以上になれば、ご主人の扶養からはずれることになります。

この場合、息子さんご自身が国民健康保険に加入することになります。

できることとしては、勤務時間を減らし、合計して１８０万円以上にならないように調整することくらいでしょう。

たぶんアルバイトということで、それほど高額な収入ではないと思いますので、なんとかなりそうな気がします。

タイミングをみて、会社の上司の方に相談されてはいかがでしょうか。

しかし、今はすでに１１月。１２月までの収入が対象になるものなので、勤務時間の調整は間に合わないかもしれません。そうなれば、扶養からはずれ、息子さんご自身で国民健康保険に加入しなければなりません。当然保険料が発生します。

息子さんの場合、アルバイトということで、国保の保険料はそれほど高い金額にはならないとは思いますが、バカにならない金額だと思います。

来年以降は早めに上司に相談し、勤務時間の調整をしておいたほうがいいでしょう。