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楽天イーグルス田尾監督解任事件から学ぶ 精神の障害年金 適切な診断書を取得するには

 

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

精神の障害 実は多い 適切な診断書を取得できていないケース

 

札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。

 

今日のテーマは「楽天イーグルス田尾監督解任事件から学ぶ 精神の障害年金 適切な診断書を取得するには」です。楽天・田尾監督の話は最後に出てきますので、お付き合いいただければ幸いです。

 

さて、特に精神の障害において言えるのですが、適切な診断書を取得するためには、やはり「アウトプット」が大事です。

 

ここでいうアウトプットとは、患者が主治医に自分の症状を的確に伝えること。それは日常生活の状態も含まれます。

 

それをしっかり行うことは、診断書取得のみならず、治療者と主治医の信頼関係を築く上で大変重要なポイントとなるでしょう。

 

しかし、これが中々うまくいかないものです。理解はしているものの体調が悪い時は、思うように動けないことなど誰しもあることだからです。

 

先日、双極性障害を患う相談者(Aさん、39歳)の診断書を某病院(精神科)に診断書を依頼しました。Aさんはもう10年以上うつ病を患い、同じ病院にかかっています。多くの失業期間があり、ほとんど無為な生活を送っています。改善傾向になることもあるのですが、それも長続きしません。「最近は気分がいいから」と働き出した途端、再び悪化し家で寝込むようになります。そんなことを繰り返しています。

 

Aさんは障害年金請求を検討し、診断書を依頼しました。

 

しかし、できあがった診断書をみてびっくり。結論から言って、実際の状態よりかなり軽い内容だったのです。

 

どうしたらいいものか・・・

 

そこで、幣社に相談に来られたということです。

 

 

 

 

 

的確なアウトプット 主治医に対して行うことが大事!!

 

同居するお姉さんを伴い弊社に相談に来られたAさん。

 

「主治医とは10年来の付き合いで、私のことはよくわかっていると思うのですが、診断書が実際の症状とかけ離れたものになっていました。これでは障害年金は出ないんじゃないかと思います。」

 

Aさんは、泣いていました。

 

精神科では、よく3分間診療と言われますが、長い尺で話を聞いていもらうことは難しいというのが現実です。

 

いくら10年来の付き合いといえども、的確に日常生活を含めた症状が伝わっていないということは大いにあり得るのです。

 

そこで、筆者は冒頭の「アウトプット」の話をしました。

 

「いくら医師との信頼関係が結ばれていたとしても、日常生活をふくめた適正の症状というのは、意外に伝わっていないことはよくあることです。信頼関係が構築されているというのなら先生に診断書の追記をお願いしてみてはいかがでしょう。ご家族などの協力で、日常生活を含めた症状をメモなどに箇条書きして、受診の際に先生に渡すというのもありではないでしょうか。」

 

筆者はそう述べて、1度目の相談は終了しました。

 

後日、Aさんのお姉さんからご連絡がありました。

 

「先生に、診断書の修正を依頼したところ、快く引き受けていただきました。先生は『こんな状態だったとはわからなかった。申し訳ない』と言ってくれたんです。修正していただいた診断書は実際とかなり近い内容のものでした」

 

医師とは信頼関係があり、10年以上の付き合いがあったとしても、患者のことを全て知り尽くしているわけではない。わかっているようでわかっていないというのは、どんなに親しい間柄でも起こりうる現象なのです。

 

アウトプットがいかに大切かがわかるエピソードですね。

 

 

 

 

 

楽天イーグルスの田尾監督はなぜ1年で監督を解任されたのか

 

アウトプットで思い出すのが、2005年に楽天イーグルスの田尾監督が1年で解任された経緯です。

 

よほどプロ野球好きでなければ興味がないと思いますが、少々お付き合いください。

 

2004年のシーズン途中、突如近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併案が提出されます。そう、世間を揺るがした「プロ野球再編問題」です。

 

そこで、新たに誕生したのが、三木谷社長率いる楽天イーグルス。その初代監督が、中日ドラゴンズ、西武ライオンズで活躍した田尾安志でした。

 

当然ですが、創設1年目の球団。戦力が全く整っておらず断トツの最下位。38勝97敗と、長嶋監督第一次政権1年目の巨人をはるかに超える不成績でシーズンを着地します。

 

そこで、三木谷社長は、田尾監督になぜチームがここまで低迷したかをレポートにまとめるよう命じました。

 

そして、受け取ったレポートを見て、三木谷社長はあきれ果てたといいます。

 

「これが大人の書く文章か・・・」と。

 

田尾監督が書いたレポートの内容の稚拙さにあきれかえり、それが引き金となって解任することとなったというのは、球界では有名な話です。

 

適正な内容の診断書取得の話と関係ないと思われる方もいると思いますが、これはアウトプットの重要性がよくわかるエピソードではないでしょうか。やはり、どんな世界でもアウトプットは重要なのです。それは文章を書くのがうまいとかへたとかそういう問題ではないと思います。

 

黙っていては伝わることとそうでないことがある。人に何かを的確に伝えることは、大人ならば誰にでも求められる時がくる。

 

それは医師と患者においても通ずるものがあると感じる今日この頃です。

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