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うつ病で障害年金を再裁定請求するのに1年待たなければならないのか?

 

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

障害年金の裁定請求を再び行うのに1年待たなければならないのか?

うつ病で障害基礎年金を事後重症請求しましたが「不支給」。

 

納得できません。

 

精神科へ通いはじめてから5年くらい経ちますが、私はここ1年以上仕事もできない状態で、家で横になっていることがほとんどです。

 

どう考えても2級は間違いないと思っていました。ていうか、担当の先生もそうおっしゃっていました。

 

すぐにでも再請求を行いたいのですが、請求してから1年待たなければ再請求できないと聞きました。

 

本当に1年待たなければならないのでしょうか?

 

 

 

 

うつ病で障害年金を再裁定請求を行うのに1年待つ必要はないが・・・

札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。

 

うつ病で事後重症請求して不支給。「そこから1年待たなければ再請求できないと聞きましたが、本当に1年待たなければならないのでしょうか?」というご質問ですね。

 

このケース、結論からいえば、1年待つ必要はありません。

 

1年待つことが必要とされるケースとしては、①額改定請求した場合の再請求、②障害状態確認届(更新)の提出をして等級がアップした場合の額改定請求、③裁定請求し支給が認められた場合の額改定請求などです。※①と②は「平成26年4月の改正省令」に該当する場合は除きます。

 

相談者様のような、事後重症請求した結果「不支給」となったようなケースは。極端な話「不支給」の通知が来た日にすぐにでも請求することも可能です。

 

これは、相談者様がうつ病で請求されたということですので、「精神の障害」に寄せた回答になってしまいますが、何でもかんでも再請求すればいいのかというと、そういうわけでもありません。

 

というのも、診断書の内容が前回提出したものより状態が重たくなければ通らないからです。

 

請求して結果がでるまでに3~4ヵ月程度かかると思いますが、現症日が近いということは、それほど重症度があまり変わらないことのほうが多いでしょうから、診断書を再度依頼したとしても同じような診断書ができあがる可能性が高いのです。

 

また、担当の先生に相談して、患者の意向を診断書に反映させてもらうこともあるかもしれません。障害年金に理解のある先生なら、ある程度患者に寄せて書いてくれることもありますが、それだからといってすぐに年金が出るのかというとそう簡単なものではありません。

 

「患者に寄せる」とは、別に実際より重く記載するとかそういうことではありません。前回の請求時に書いてもらった診断書は、いまひとつ重症度が伝わりづらいもので、次は前回よりも実際に近い状態を診断書に反映させていただくような場合です。

 

障害認定基準やガイドライン上問題なく、確実に年金が出てもおかしくないような診断書にもかわらず、それがうまくいかないこともあり得るのです。

 

それはどういうことでしょうか。

 

以下に詳しく書かせていただきます。

 

 

 

 

最近カルテの提出を促す傾向にある年金機構

最近よくあることなのですが、審査の途中で、年金機構からカルテの提出を求められることが頻発しています。

 

「〇年〇月〇日~△年△月△日までのカルテを開示請求し、提出願います」と通知がくるのです。

 

これは、どういった意味合いなのでしょうか?

 

「前回請求してからそれほど時間がたっていないのに、本当に重症度が高くなったのか?」

 

「それならカルテという「証拠」をみせてもらいましょう

 

そういうことだと思います。

 

しかし、カルテを取得し、提出して、それですぐに年金が出るといった簡単なものでもないのです。

 

というのも、カルテだけでは、実際の日常生活能力は完璧には伝わらないからです。また、場合によっては、詳細に記載されているわけではなく簡単な患者との会話やその日の処方薬などしか書かれていないこともあるのです。

 

これでは、いくらカルテを提出したところで、請求者の日常生活能力が前回の請求時より下がった「根拠」がすべてあるとは言い切れません。となると、再び「不支給」ということもじゅうぶんありえるのです。

 

そもそも、日常生活能力というのは、診察室だけでははかり切れないものであり、その中で診断書が作成されることもあるでしょう。いわゆる、患者と医師の信頼関係における賜物といっても過言ではないのです。

 

ですので、診断書を「信頼できない」と判断する年金機構は、担当医をかなり見下しているのではないでしょうか。これは看過できない問題であります。

 

おっと、話が横道にそれてしまいました。

 

 

 

 

どのタイミングで再裁定請求すればいいのかは人によって様々

では、どのタイミングで、うつ病など精神の障害年金の再裁定請求を行えばいいのでしょうか。

 

これには正しい答えはありません。しかし、一般的な意見としては、前回請求してから1年くらいは経過した時に行うほうがいいのではないでしょうか。

 

もちろん、本当に短期間で悪化した場合もありえますし、前回提出した時の診断書が明らかに「軽かった」ということもあるので、一概には言えません。しかし、数値で重症度をあらわせきれない「精神の障害」においては、前回の請求からあまり間隔が短ければ、診断書の内容においてあまり信ぴょう性がないと判断されることもじゅうぶんあり得ると思ったほうがいいでしょう。

 

もちろん、反論はあるでしょう。

 

正解はなく、これは永遠のテーマなのかもしれません。

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