執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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Q50代女性 ADHDが発覚し障害年金請求を試むも納付要件なし どうしたらいいのでしょうか?
私の妻について、ご相談させていただきます。
妻は50代です。
つい最近、検査をしたところ「ADHD」との診断を受けました。また、軽度の精神遅滞もあるともいわれました。
就ける仕事もなく、担当の先生から「障害年金を請求してはどうか?」と勧められましたが、最寄りの年金事務所に行ったところ、納付要件はありませんでした。
私の通院歴をおおまかにまとめると以下のようです。
平成10年 Aメンタルクリニック「適応障害」
平成21年 B病院・精神科「不安神経症」
令和 1年 C心療内科クリニック「不安神経症」
令和 4年 Dメンタルクリニック「ADHD」(軽度精神遅滞が併記)
ここ20年くらいは、第三号被保険者ということですが、それ以前は全く支払っておらず、平成10年を初診日とすれば「納付要件」はありません。
妻は、、一生障害年金を請求することはできないのでしょうか?
A精神遅滞で請求することが可能なら納付要件は問われない 障害年金の受給は可能かもしれません
札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。
奥様が、50代に入ってから「ADHA」が発覚、軽度精神遅滞もあると診断されたのですね。
担当の先生に「障害年金を請求してみたら」と勧められたものの、「初診日」に納付要件がないと。それで、奥様は一生障害年金の請求(精神疾患で)できないのかというご質問ですね。
ADHAは、生来性の病気なのですが、障害年金の解釈では、うつ病や統合失調症などと同じく、初診日における納付要件を問われます。
そういった意味では、納付要件がなければ障害年金の請求はできないということになります。
しかし、ご相談の記載内容に、軽度とはいえ「精神遅滞」とも診断されていると書かれています。ということであれば、傷病名を「軽度精神遅滞」で請求すれば、納付要件が問われませんので、なんとかなるかもしれません。
もちろん、ADHDというのが主たる傷病で、従たるものとして精神遅滞があるということであれば、請求は難しいかもしれませんが、もしかしたら、現在「就ける仕事がない」多くの原因が、精神遅滞によるものと考えられるかもしれません。だとすれば、「軽度精神遅滞」という傷病名で障害年金を請求するというのもありかと思います。
そのあたり、担当の先生に相談してみたらどうでしょう。もちろん必ず思うようにいくとは限りませんが、可能性はあるでしょう。
奥様の障害年金が支給されることを祈っております。