執筆者：中斉徳久（社会保険労務士）
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。１０年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は１０００件を超える。事務所所在地：札幌市厚別区厚別中央３条２丁目１０－１０－１０２。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩９分。
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Q障害年金２級の遡及がきまる。法定免除の申請で支払った年金は戻ってくる？
１０年ほど前から「うつ病」を患っており、長らく仕事ができず家にこもっています。
さて、数か月前、うつ病で障害基礎年金を遡及請求しました。２級の年金がきまり、おかげ様で約５年ぶんの年金が支払われました。
私はここ１０年ほど国民年金の被保険者で年金保険料を全額納めてきたのですが、最近ネットで「障害年金２級以上の受給権者であれば、法定免除といって国民年金の年金保険料が全額免除され、今まで支払った年金保険料が返ってくる」という情報を見たのですがホントでしょうか。また、今まで支払ったぶんのどのくらいが戻ってくるのでしょうか。
生活が苦しいのでできるだけ多く戻ってくれば助かります。
A障害年金２級以上なら法定免除の届け出で支払った年金が還付されます。
札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・（再）審査請求などを主に行っております。
うつ病を１０年ほど前から患い、数か月前に障害基礎年金を請求。遡及請求が認められ２級がきまり、約５年ぶんの年金が支給されたということですね。まずはよかったです。
そう、法定免除の件ですね。
障害年金２級以上の受給権者は、「国民年金被保険者関係届（申出書）」を提出することで、障害年金２級に該当するに至った日の属する月の前月から該当しなくなる日の属する月までの間、法定免除（全額免除）が適用されます。相談者様がおっしゃる通り支払った年金保険料は還付されることになります。法定免除の手続きを行えば、「障害年金２級に該当するに至った日の属する月の前月」つまり障害認定日の前月分から今まで収めた国民年金保険料が還付されることになります。
「生活が苦しい」ということですので、ぜひとも手続きをしたほうがいいと思います。
ですが、精神の障害年金となれば症状固定することはなく、改善すれば障害年金の支給が止まるということも考えられます。６５歳になって受給するかもしれない障害基礎年金の額が少なくなってしまうので、将来の年金確保のために年金保険料の支払いを希望するのであれば、同じように「国民年金被保険者関係届（申出書）」により、その旨申し出ることが可能です。
しかし、実際のところ筆者のお客様の場合、法定免除の申し出を行う際、年金の支払いを希望したという方には会ったことがありません。皆さん今の生活がきびしいものと思われます。
そのあたりは、ご家族などに相談しながら、検討してみてはいかがでしょう。
なお、法定免除の手続きですが、各市区町村の年金課などの窓口で行えますので、詳細はそちらでご確認していただければと思います。
年金機構のホームページから関係箇所を添付しておきますので、ご参照ください！
