電磁波過敏症で障害年金は受給できるのか?
執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。大学卒業後民間企業を経て、社会保険労務士になる。15年間障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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「電磁波過敏症で障害年金を受給できるのか?」という質問がありました。

札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金請求代理業務を始めて16年目になります。
最近、ある知り合いから「電磁波過敏症で障害年金を受給できるのか?」といった相談を受けたことがあります。その方の話では「電磁波過敏症という病気を患っている」とのことです。
電磁波過敏症?
筆者の勉強不足だと思いますが、実は最近までその存在を知らなかったのです。
ウイキペディアから引用させていただきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E7%A3%81%E6%B3%A2%E9%81%8E%E6%95%8F%E7%97%87
電磁波過敏症(でんじはかびんしょう、英: electromagnetic hypersensitivity [EHS] )または電磁場に起因する特発性環境不耐症(でんじばにきいんするとくはつせいかんきょうふたいしょう、英: idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields [IEI-EMF] )とは、「ある程度の電磁波(=電磁場)に曝露されると、身体にさまざまな不調が現れる」「電磁場に曝されることによって健康を害する」概念の申告症状とされる。
ある程度の電磁波(=電磁場)に曝露されると、身体にさまざまな不調が現れる」「電磁場に曝されることによって健康を害する」とあることから、そのような状態にある方にとって大変な問題であることはじゅうじゅう承知いたします。
その知り合いの話では、その専門医に診ていただいているとのことですが、先生からは「電磁波過敏症の可能性がある」、「これだけ体調が悪いのだから障害年金をももらったらいいのでは」と言われているとのことです。
厚労省職員「症状と電波曝露の因果関係について確かな科学的根拠は現時点では確定されていない」

筆者の知る限りでは電磁波過敏症で障害年金を受給しているといった話は聞いたことがありませんが、実際のところどうなのでしょう。
現実的に考えれば、現在においては、電磁波過敏症で障害年金をもらうことはきびしいと思います。
電磁波問題市民研究会のホームページ(2023年12月14日の記事)から一部引用させていただきます。
https://dennjiha.org/?page_id=16558
基地局問題院内集会(2023年8月)
1 基地局からの電磁波による症状を訴える声は貴省に届いていますか。どのような声が何人ぐらいから届いているか、お示しください。また、それらについて貴省は、どのように受け止めていますか。
H難病対策課長補佐
厚労省のHです。ご質問の件は、厚労省では把握しておりませんが、WHOで、いわゆる電磁波過敏症について、人により症状が多様であり、その症状を電磁界曝露と結び付ける科学的根拠はないとの見解を示していると認識しております。厚労省としても、症状と電波曝露の因果関係について確かな科学的根拠は現時点では確定されていないことから、別の症状に応じた適切な医療を受けていただくことが望ましいと思っております。
厚生労働省の職員は「厚労省としても、症状と電波曝露の因果関係について確かな科学的根拠は現時点では確定されていないことから、別の症状に応じた適切な医療を受けていただくことが望ましいと思っております。」と答弁しています。
つまり、国の見解として「電磁波過敏症は医学的根拠が認められていない」ということになるでしょう。
となれば、現時点では、電磁波過敏症で障害年金を受給することはむずかしいと言わざるを得ません。
ただ、将来的に科学的根拠が確定されることがあれば、どうなるかはわかりません・・・。