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69歳女性 障害年金の請求は可能か? 初診日が65歳を過ぎてからの障害年金の請求の問題

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。大学卒業後民間企業を経て、社会保険労務士になる。15年間障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

Q 69歳の母親 心臓ペースメーカで身体障害者手帳1級 障害年金の請求はできるのか?

 

母親のことで相談します。

 

現在母は69歳。令和4年の10月、外出中に路上で倒れ救急搬送。心筋梗塞ということでで即入院しました。そして、令和5年の11月に心臓ペースメーカーの植え込み術を行い、1級の身体障害者手帳を取得しました。

 

母は、65歳から老齢年金をもらっていますが、かなり少額でとても生活できるものではありません。

 

そこで、障害年金を受給できないか考えております。

 

基本的には、65歳をすぎると障害年金は請求できないということは何となくわかっています。しかし、例外的に出来ることもあると聞いています。

 

母の場合は何とかならないでしょうか?

 

ちなみに母は、長い期間パートで働いていましたが、社会保険には入ったことはなく、国民年金は60歳になるまで、かなり長い期間免除の手続きをしていました。

 

 

 

 

65歳を過ぎても障害年金を請求できる場合もあるが・・・

 

札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金請求代理業務を始めて16年目になります。

 

65歳を過ぎてからの障害年金の請求の問題ですね。

 

相談者様のおっしゃるように、原則的に65歳を過ぎたら障害年金の請求はできないことになっています。

 

しかし、限定的ですが、65歳を過ぎても障害年金を請求できるケースはございます。あまり数は多くはないですが、対象になる方もいるにはいます。

 

そこに、お母さまが当てはまるのかということでしょう。

 

さて、65歳以上で障害年金を請求できるケースについて考えてみましょう。

 

まず、初診日が65歳前にあるか、それとも65歳後にあるかで要件が変わってきます。お母さまの心筋梗塞の初診日は、3年前ということですので、65歳を過ぎていますね。

 

となると、初診日は65歳以降の請求ということになります。

 

65歳以降に初診日があり障害年金を請求できるケースは、大きいところでは以下の2つが挙げられると思います。

 

①70歳までの国民年金の任意加入被保険者(平成6年改正法附則11条、平成16年改正法(法律104号)附則23条)であったときに初診日がある場合の障害認定日請求(※直近1年要件はつかえません)

 

②老齢年金の受給権を有しない厚生年金の被保険者は、65歳以降も2号被保険者となりますので、その被保険者期間に初診日がある場合の、障害基礎年金および障害厚生年金の障害認定日請求(※直近1年要件はつかえません)

 

気づいたと思いますが、65歳以降に障害年金を請求できたとしても、障害認定日請求しかできず、事後重症請求はできません。たしかに、お母さまは、初診日から1年6か月以内に心臓ペースメーカーの植え込みを行っておりますので、通常ですと障害認定日請求できるケースではあります。

 

しかし、今まで一度も社会保険に加入したこともなく、60歳まで長期にわたり年金の免除をして65歳から老齢年金を受け取っているということですので、上記①も②も該当しないでしょう。

 

※そもそも①にかんしてですが、ペースメーカー植え込みの障害年金は3級ですから、初診日が国民年金なら仮に障害年金を請求できたとしても受給できる可能性はほぼほぼないでしょう。

 

となると、お母さまは障害年金の請求はできないということになります。

 

残念ですが、そう回答せざるを得ません。

 

65歳を過ぎても、障害年金を請求できるケースは、けして多数ではありませんが、全く可能性がないわけではなりませんので、気になる方はお近くの年金事務所にご相談されることをお勧めします。

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