執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。大学卒業後民間企業を経て、社会保険労務士になる。15年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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小錦さん 記者会見 腎臓移植手術を行っていた
札幌市厚別区で社会保険労務士を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを手掛けて15年目になります。
さて、元大関の小錦さん(60)が昨年12月23日、入院先の病院で記者会見を開き、同月4日、妻の千絵さんから提供を受け、腎不全による移植手術を行ったと公表していたことが、同月24日報じられました。その記事を添付しますので、興味のある方はご覧になってください。
元大関小錦八十吉、妻から腎臓提供に葛藤も「飛行機乗ったら死ぬと言われ」米で入院し迷い消える – 芸能 : 日刊スポーツ
幸い術後の経過は良好。「99・9歳まで生きるよ」と元気なところを見せていたようでまずは安心です。
小錦さんは約8年前から腎臓疾患があり、担当医によると「長期の肥満からくる肥満性腎症」。「心臓の機能もよくない(15%くらいしか機能してなかった)」状態だったため、手術はかなり慎重に行われたようです。
会見の同日、無事退院されたとのことですが、まあ無理せず、今後も精力的に、プロデューサーとして相撲ショーを盛り上げてくれることを祈っております。
小錦さんの状態 障害年金の対象になるのか?
さて、職業柄気になるのが、「小錦さんの状態は障害年金の対象になるのか」ということです。非常に余計な話なのですが、ちょっとだけ考えてみました。当然詳しい数値など知る由もないので、同記事を参考にした、あくまで推測によるものであることをご了承ください。なお、納付要件は考慮しないものとさせていただきます。
まず、腎移植前の状態で考えてみます。
同会見で、小錦さんは「今の仕事は、ほとんど海外での相撲ショー。人工透析を受けるようになったら、仕事ができなくなる。ずっと嫁から移植手術をやれと言われてた。(後略)。」と発言しています。つまり、すでに人工透析を受けなければならないほど腎臓の機能は低下していたということです。
また、「その前のテネシー公演から具合が悪かった。『飛行機に乗ったら死ぬよ』って言われて、心臓が15%くらいしか機能してなかった」とのコメントから、心臓の機能もかなり低下していることもうかがえます。これらの症状を総合的に見て、小錦さんの腎移植前の症状はじゅうぶん障害年金2級に該当するものと思われます。
では、移植後はどうなのでしょうか。
先述した担当医は、「(前略)。今後は免疫力の薬を飲み続けなければなりませんが、健康的な生活を送れます」とコメントしているので、移植後はかなり回復していくことが予想されます。さて、そうなった場合、受給していた障害年金はどうなるのでしょうか。
障害認定基準、第12節/腎疾患による障害 には以下の記載があります。
腎臓移植の取扱い
ア 腎臓移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後の症状、治療経過、検査成 績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定する。イ 障害年金を支給されている者が腎臓移植を受けた場合は、臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とする。
「臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とする。」とあることから、最低1年間は障害年金が支給され、その後支給停止されることが予測されます。
まあ、小錦さんが障害年金を請求されることは考え難いのですが、勝手ながら同記事を障害年金に当てはめて考えてみました。
筆者の妄想ということでご了承ください。