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近鉄バファローズ元投手・ 佐野慈紀さん 糖尿病の合併症により右腕切断 障害年金の対象になるのか?

 

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)

 

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を!(011)893-8395までお待ちしております。メールでもOKです。

 

 

 

 

近鉄バファローズ元投手・佐野滋紀さん 「糖尿病の合併症で右肩切断」を報じられる

 

札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。

 

さて、近鉄バファローズ(現・オリックスバファローズ)の元投手・佐野慈紀さんが、今年5月初旬、感染症の悪化による右腕切断手術を受けたことを自身のブログで報告していたことが報じられました。

 

「TBS NEWS DIG」、9月16日の記事を一部引用させていただきます。

佐野慈紀さん 「糖尿病の恐ろしさは罹患すると色んな弊害が」 ブログで訴え 「免疫力や抵抗力も落ちて」「小さな傷から大きな代償」 今年5月に右腕切断手術 | TBS NEWS DIG (1ページ)

 

佐野さんは「ワシは合併症も発症して 障害を抱える事になりました。」「自分では対策していたつもりだったんですが この様な状況に。」と、投稿。

 

続けて「重症となるまでのターニングポイントは未だわかりません。」「ある日突然襲ってくるのです。糖尿病の恐ろしさは罹患すると色んな弊害が起こります。」「免疫力や抵抗力も落ちていきます。小さな傷から大きな代償を抱える事になります。」と、説明しました。

 

佐野さんは、右腕切断の原因となる傷病は「糖尿病によるもの」と語っています。まさに糖尿病の合併症によるものです。

 

筆者の知り合いにも、糖尿病を罹患している人が何人かいるのですが、その方たちは「糖尿病で何が一番怖いかというと、合併症なんだよ」と常日頃言っていたことを思いだします。

 

佐野さんは、今後日常生活において様々な制限が加わってくることが想定されますが、幸い予後は良好。ユーチューブに出演するなど精力的に活動されていることから、気持ちが切れていない様子が伺えます。

 

佐野さんといえば、1990年代、近鉄バファローズのセットアッパーとして君臨。1億円プレイヤーとして大活躍していました。中日ドラゴンズでプレイしたこともあります。

 

あの当時のプロ野球ファンとして、今後も佐野さんの活躍を見守りたいと思います。

 

 

 

 

 

右腕切断 障害年金の対象になるのか? 糖尿病の初診日を確定できるのかがカギ

さて、右腕切断となればかなりの重症だと思いますが、この状態で障害年金の対象になるのでしょうか。

 

障害認定基準・第7節/肢体の障害(上肢の障害)には以下の記載があるので、引用させていただきます。

3-1-7-1.pdf

 

2級 

一上肢の機能に著しい障害を有するもの(以下「一上肢の用を全く廃したもの」という。)

 

イ 「一上肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「一上肢の用を全く廃したもの」とは、一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいう。

 

(ア) 不良肢位で強直しているもの
(イ)  関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減    しているもの
(ウ) 筋力が著減又は消失しているもの

 

佐野さんのブログの写真を見る限り、右ひじ関節下から切断していることがわかります。「一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの」、すなわち、「筋力が著減又は消失しているものにじゅうぶん当たることから、2級の障害年金に該当することは間違いないでしょう。障害厚生年金にせよ障害基礎年金にせよ、2級以上は該当するので、佐野さんが障害年金を受給できる可能性は高いものと思われます。

 

佐野さんが糖尿病を発症したのは、平成28年頃と言われています。その頃が糖尿病における初診日となるとおもいますが、納付要件があるかどうかは我々には知る由はありません。そのへんを議論しても仕方ないのでこれ以上つっこみませんが、佐野さんがプロ野球の現役を退いたのが平成15年。その後社会人としても大活躍されていますので、年金保険料はしっかりと納付しているはずです。

 

初診日は国民年金か厚生年金かはわかりませんが、いずれにせよ「納付要件」はクリアーしているはずです。

 

ただし、ひとつ言えるのは、糖尿病の初診日をつきとめることは非常にむずかしいので要注意ではあります。

 

 

 

 

人工透析と併せて障害年金1級の受給が可能

実はあまり報道されていませんが、佐野さんは平成30年から人工透析療法を受けているとのことです。これも糖尿病の合併症かと思います。

 

多くの人がご存じかと思いますが、人工透析は障害年金2級に該当します。つまりこの時点ですでに2級が確定しています。

 

ということは、今回の右腕切断の症状と併せて1級になります。

 

つまり、佐野さんの今の状態は、障害年金1級に該当するということです。

 

まあ、佐野さんにしてみれば余計なお世話というか、すでに障害年金は請求していて受給しているのではないでしょうか。

 

ところで、佐野さんのユーチューブチャンネル「ピッカリーグ」が大人気です。色々なプロ野球OBもゲスト出演し、最高に面白い番組です。

 

ご興味ある方は、チャンネル登録お願いします!

佐野慈紀のピッカリーグ – YouTube

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