執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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精神の障害年金 医師から診断書の記載を断られるのには理由がある
札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。
さて、先日弊社で、とある男性の障害年金についてご相談に乗らせていただきました。傷病は精神の障害です。相談者様は長年患い仕事もままならず、障害年金の請求を試みているとのこと。
そのご相談の主たるものは「医師に障害認定日の診断書の記載を断られた。どうしたらいいのか」というものでした。今通院している病院の前に3年ほど通った病院。最終受診は約2年前の話です。いわゆる「初診日」はその病院です。
精神の障害年金で、障害認定日の診断書を書いてもらえないといったご相談はそれほど珍しいものではありません。
よくある理由としては、「障害認定日があまりにも昔すぎて電子カルテに変更する前の記録はいっさい破棄した」とか、「カルテはあるものの当時の日常生活能力を把握できないから書かない」といったものなどが挙げられます。また、障害認定日頃はそれほど重症ではなくその対象ではなから書かないということもよくありますが、聞けば相談者様は当時も今と同じく体調は最悪で仕事もできない状態だったとのこと。
それにしても納得できない話ではないでしょうか。今回のご相談のケースは、つい2年前まで3年間継続してた病院。障害認定日はせいぜい3年半前です。当然カルテもあり、障害認定日の頃もどっぷりとつかるほど受診しています。書けない理由が見当たりません。
「書けない理由を先生から聞きましたか?」筆者は相談者様に問いました。
『はい、聞きました。「今診ている患者さんではないので書けません」とのことです。よく意味がわかりませんでした』
カルテはあり、症状もかなり重症だったとのこと。ではなぜ診断書の記載を拒否されたのか。
診断書記載拒否 その理由をしっかり聞かせてもらうことが大事
「納得していなのなら、もう一度聞いた見たらどうですか?」
筆者はそう勧めようと思ったのですが、相談者様の顔は憔悴しきっていました。これ以上続けると体調にさわるなと思い言うのをやめました。
もっと色々お話をうかがいたかったのですが、「体調が悪いので、今日は帰らせていただいていいですか。後日また連絡します」との申し出があり、その日の障害年金の相談はそこで終了となりました。相談時間は約45分くらいだったと思います。これでこのご相談も打ち切りかなという空気が流れました。
それにしても、なぜ、その医師は「診断書を書かない」といったのでしょうか。相談者様が帰られた後に知る由もありません。
弊社は15年近く障害年金の請求代理業務を続けていますが、あらゆることで思い通りにいかず、壁にぶち当たります。それは今回のように「対医師」であったり、「対行政」であったりするのですが、仮に超えられない壁があったとしても、どうせだめだとしても、「納得して諦めたい」というのが信条としてあります。
そこまでの理由があるのなら納得しましたと・・・。
今回の「診断書記載拒否」もそうです。書けないのなら、納得のいく理由を聞かせてほしい。
しかし、今回の件は、代理人ではない筆者はどうしようもありません。
その数日後、先ほどの相談者様の男性から電話が来ました。「障害年金の請求代理人としてうごいてほしい」と。
今度は、まずその病院に連絡をとり、なぜ診断書の記載が無理なのかの理由をしっかり聞きたいとかんがえております。