障害年金の再審査請求は法律のプロ弁護士に頼むか? 障害年金に詳しい社労士に頼むか?

執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。大学卒業後民間企業を経て、社会保険労務士になる。15年間障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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再審査請求は誰に頼めばいいのでしょうか。弁護士か社労士か?

相談者:Dさん(50代女性)
障害年金の審査請求を弁護士さんに依頼して行ったのですが、結果は「棄却」でした。結果を知った日の翌日から2カ月以内までに再審査請求ができるということですが、どうしていいかわからず悩んでいます。弁護士さんからは「再審査請求をするかどうかはご自身できめてください」と言われていましたが、どうしていいかわからず悩んでおります。
審査請求を行うに至った経緯ですが、以下に記載します。
私は、10年以上うつ病をを患っており、それが原因で離婚しています。以前は週3回5時間、スパーのレジ係をしていましたが、最近はバイトもいっさいできず、家で寝ていることが多いです。
そこで、障害基礎年金の遡及請求自分で行いましたが、障害認定日においては不支給でした。
提出した障害認定日の頃の診断書ですが、日常生活能力の程度は(2)。日常生活能力の判定の平均点は「2.0」。「就労状況」の欄には、「安定した就労はむずかしい」と書かれていました。
安定した仕事に就けない私がなぜ障害年金をもらえないか納得できず、知り合いに紹介してもらった弁護士さんに審査請求を依頼したということです。
その先生からは、「どうなるかはやってみないとわからない」と言われましたが、とても信頼できそうな方だったので、大船に乗ったつもりでお願いしました。しかし、結果はダメでした。
ある知り合いからは、障害年金に詳しい社労士さんに依頼したほうがいいということを言われました。
再審査請求ですが、このまま弁護士さんに依頼するか、あるいは障害年金に詳しい社労士さんに依頼するか、どちらがいいでしょう。
よきアドバイスをお願いいたします。
誰に依頼しても無理なものは無理。あきらめるのも選択肢のひとつ

札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金請求代理業務を始めて16年目になります。
うつ病で障害年金の請求を行うも障害認定日においては「不支給」。それで弁護士さんに審査請求の代理人を依頼したものの「棄却」となったと。
今度は、障害年金に詳しい社会保険労務士に再審査請求を依頼したほうがいいのではにかというご相談ですね。
まあ、結論から申し上げて、この申立が容認される可能性はゼロです。
代理人が弁護士さんであろうが、社労士さんであろうが、結果は見えています。
障害基礎年金といえば2級までしかありません。診断書の日常生活能力の程度が(2)、日常生活能力の判定の平均スコアが「2.0」では、2級はとうてい無理なのです。
いくら「法律のプロ」弁護士さんに依頼しようが、「障害年金に詳しい」社労士さんに依頼しようが、ダメなものはダメということをどうかご理解してください。
つまり、再審査請求はせず、この件は撤退すべきです。残念ながら、そう申し上げる以外ありませんね。
もし、裁定請求で不支給通知がきた段階で幣社にご相談いただけたなら・・・。
筆者なら、「無理です。あきらめましょう」と「無料診断」したと思います。まあ、後悔先に立たずですね。