執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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老々介護の末の悲しい事件 加害者は男性が多いという説
札幌市厚別区で社会保険労務士を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを手掛けて15年目になります。
今日は少し、趣を変えて「老々介護」について語ろうかと思います。
年に何度か、老々介護の「悲しい事件」をニュースで確認します。悲しい事件とは、介護する者が絶望的な状況に追い込まれ、介護される者をあやめてしまうといった事件です。
ある新聞記事で読んだのですが、介護疲れが原因で親族間での殺人あるいは無理心中などで60歳以上の当事者が亡くなる事件は、2021年までの10年間で、全国で437件あったと確認されています。非常に残念な話ではありますが、それだけ、この国の高齢者をとりまく環境は逼迫しているということでしょう。
筆者はここ数年で両親ともに看取ったのですが、その時にお世話になった介護事業所の所長さん(60代女性)の言葉が今でも忘れられません。
「老々介護の殺人事件の場合、加害者のほとんどが男性なんです。介護に疲れてパートナーを殺めるのはきまって男なんですよ」
なぜですか?
「男は、ぺらぺらしゃべらないからです。女っておしゃべりでしょう。おしゃべりだから『うちの旦那ボケちゃって大変!』なんて外でいっぱい愚痴をこぼす。だから、近所の人が大変な状況に気づき、自治体の福祉関係の部署に通報したりして、市が介入してくれるので最悪なケースまで至りづらいんですよ」
この所長さんは、介護業界30年以上の超ベテラン。何人もの方を看取った経験もあり、その言葉には重みがあります。
蛸壺化した介護の末路は悲しい 独りで悩んでいないで相談しましょう!
「男はぺらぺらしゃべらない」というのは、けっして悪いことではありません。特におしゃべりな男は会社などでは軽んじられる傾向にありますし、社会的に上に行けば行くほど、自分の胸にしまっておくことが増えていくのも事実です。責任感の強い男性ほど、人に相談しなくなるのは無理もありません。
しかし、こと介護となればそれがあだになるでしょう。家という閉鎖的な空間で、介護が蛸壺化していく。
そして疲れ果て、殺意がめばえ、「最悪な事件」が起きてしまう。それだけは避けなくてはいけません。
まずは、話をするということが大事です。
遠方に身内がいれば、しつこく電話をかけて、とにかく話を聞いてもらいましょう。
隣近所の人でもいいから、愚痴を聞いてもらいましょう。
独りで抱え込むことは、よくないのです。
おしゃべりな男でもいいじゃないですか。そういった「おしゃべり」の中から、何かいい情報がみつかるかもしれない。どこに相談すればいいか。どうしたら苦しみが軽減されるか。
案外おしゃべりをするだけで、問題がすこしでも解決されていくことがあるということです。
少なくとも、人を殺めるに至るような事件をおこしてしまうことはないでしょう。ここで晩節を汚してはなりません。
先にあげた、介護事業所の所長さん。すばらしいお言葉ありがとうございます。
実は、障害年金請求にかんしても同じことがいえるのではないでしょうか。
すべてを独りで抱えこんでいては、いい方向には進みません。
独りで悩んでいないで、まずは弊社にご相談ください!
もしかして、お悩み解決の一端になるかもしれません。