執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10ー102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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医学博士・渡井健太郎「化学物質過敏症とは何か(集英社新書)」を読みました。
こんにちは。わたくしが社会保険労務士の中斉徳久です。札幌市厚別区で障害年金の請求代理業務・(再)審査請求などを主に行っております。
さて、先日、医学博士の渡井健太郎氏の「化学物質過敏症とは何か(集英社新書)」という本を購入し読みました。
弊社においても、ここ数年、化学物質過敏症での障害年金請求についてのご相談を受ける機会が増えており、先日本屋で見つけた時、つい手に取って購入してしましました。
化学物質過敏症とは何か(集英社新書)
化学物質過敏症といえば、たいへんレアなケースといいますか、なかなか罹患者も少なく、障害年金の請求をする方などほぼいないものと考えがちですが、そうでもないことがわかってきています。
本書の一部を引用します。
近年、全世界的に患者数が急増している「化学物質過敏症」。現在の患者数は約120万人で、潜在患者は1000万人以上とも言われている。誰にでも発症の可能性があり、一度罹患すると日常生活や社会活動に著しく支障をきたすにもかかわらず、症状が多岐にわたるため、アレルギーと誤診されたり、気にしすぎだと放置されたりしがちなのが実情だ。」
「一度罹患すると日常生活や社会活動に著しく支障をきたす」
これこそが、まさに障害年金の対象ではないでしょうか。
化学物質過敏症で障害年金を受給できるのか?
さて、化学物質過敏症で障害年金は受給できるのでしょうか。
弊社でも、この5年間で数件依頼をうけ、障害年金を請求。全ての方が3級に着地しています。この傷病の特徴として、化学物質に曝されなければ症状は出ないため、それ以外は「普通に生活できる」という解釈で、3級が妥当ということなのでしょうか。筆者もそう考えていました。
しかし、最近、身近に「化学物質過敏症」で障害年金2級を受給されている方もけっこういらっしゃることが確認できました。
先日、同傷病でとある病院に診断書を依頼した時の話です。請求者はサラリーマンをされている方だったのですが、担当医の先生の話を聞いてとても驚いたことがあったので、紹介します。
その先生は、「化学物質過敏症」の専門医なのですが、ここ数年で化学物質過敏症の障害年金の診断書を数十件記載。ほとんどの方が年金を受給されているとのことでした。しかし、それ以上に驚いたのは、診断書の記載をしたすべての方が障害基礎年金の対象の方だと言うのです。
つまり、かなりの方が、化学物質過敏症で障害基礎年金2級を受給しているということです。
なんとなく「私は、化学物質過敏症で障害基礎年金を受給することは無理」と思っている方でも、障害基礎年金2級を受給できる可能性があるということでしょう。
それもそうですが、このように「化学物質過敏症」の患者さんに真摯に寄り添い、障害年金の診断書を記載してくれる先生がいることに感謝の意を申し上げます。
残念ながら、これ以上詳しいことは書けないのですが、けっして少なくない方が化学物質過敏症で障害年金を受給しているということは間違いないということです。