執筆者：中斉徳久（社会保険労務士）

札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。１０年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は１０００件を超える。事務所所在地：札幌市厚別区厚別中央３条２丁目１０－１０ー１０２。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩９分。

障害年金の無料相談、随時受け付けております。まずはお電話を！（０１１）８９３－８３９５までお待ちしております。メールでもOKです。

Qまとまったお金がほしい。障害手当金を希望できるか？

（４８歳女性・糖尿病性網膜症等）

４８歳女性。糖尿病性網膜症で障害年金の請求を考えています。

視力はそう悪くはないのですが、視野障害がひどく、視野の障害で身体障害者手帳２級を取得しています。

目の障害により就労困難になり、仕事を辞めてだいぶん経ち、様々な支払いが滞っております。

今必要なのは「まとまったお金」です。

障害年金には、障害手当金というものもあると聞いておりますが、この一時金を希望して請求することは可能なのでしょうか。

A障害手当金を狙って請求することはできない

札幌市厚別区で社会保険労務士事務所を運営している中斉と申します。障害年金の請求代理業務・（再）審査請求などを主に行っております。

障害年金の請求を検討しているものの、「まとまったお金」が欲しいということで、できれば障害手当金をもらえないかというご質問ですね。

まずは簡単に、障害手当金について説明させていただきます。

１　初診日において厚生年金の被保険者でなければ対象になりません。

２　障害年金３級に該当しないが、ある程度の障害の状態にあることがだいじです。

３　初診日から５年以内に症状が固定し、かつ固定してから５年以内に請求した場合のみ支給さ　　　れます。

４　請求の方法は、通常の障害年金の請求と同じです。まず必要書類を年金事務所へ請求し、障害手当金の支給要件に該当する場合に支給されます。

５　精神疾患や内科的疾患による障害の場合、障害手当金は設定されておりません。

６　ちなみに金額は、障害厚生年金３級の２年分。令和４年度価格は1,166,800円です。

相談者様は眼の障害ですので、障害認定基準には障害手当金の設定はなされております。ですので、症状によっては障害手当金の受給も可能かもしれません。

また、まとまった金額が今すぐほしいとなれば、短期的な金銭的メリットとして、一時金のほうがありがたいというのもわかります。

しかし、障害年金を請求する上で、障害手当金を狙って請求するということはできません。

相談者様の詳しい症状はわかりませんが、身体障害者手帳２級を保持されているということですので、症状もかなり重く障害年金においても２級以上になることがじゅうぶん考えられます。

したがって障害手当金を受給することはできないと考えます。