執筆者:中斉徳久(社会保険労務士)
札幌ライラック社会保険労務士事務所所長。10年以上障害年金の相談・請求代理業務・不服申し立てなどを専門に活動。過去の障害年金業務サポート数は1000件を超える。事務所所在地:札幌市厚別区厚別中央3条2丁目10-10-102。地下鉄東西線「ひばりが丘駅」から徒歩9分。
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障害年金の申請において一番最初にやらなければいけないことは?
いきなりですが、障害年金を請求する上で一番大事なことは何だと思いますか?
あまりにも基本的な話で恐縮ですが、それは「初診日」を確定することです。
筆者は、障害年金の請求についてのご相談を、日々多くの方からいただきます。
お電話、メール、あるいは面談で。
その際に、病歴や就労状況・病状・現在の日常生活に及ぶまで色々な情報をいただくのですが、障害年金を請求する上で、一番大事なことは「初診日」を確定させることなのです。
まずは、そこがスタートです。
初診日とは、請求傷病において、初めて医療機関にかかった日のことです。
そこを確定させなくては、障害年金請求の作業を進めることはできません。
例えば、精神の疾患で障害年金を請求する場合は、その病気において初めて医療機関を受診した日が必ずあるでしょう。
糖尿病の合併症(人工透析・糖尿病性網膜症など)で障害年金を請求する場合は、糖尿病で初めて医療機関を受診した日が必ずあります。
まず、その日を確定させる。
それが、障害年金を請求する上で一番最初にやらなければならない。一丁目一番地といったところでしょうか。
※審査の過程で初診日が二転三転することもあり得ます。
障害年金の初診日の確定は一筋縄ではいかない時もある
初診日がある程度確定できたら、そこで「納付要件」があるかどうかが概ねわかります。
納付要件とは、初診日の前日において、一定程度以上の年金保険料を納めているということです。つまり年金の未納期間が多いため障害年金を請求できない場合があるのですが、残念ながら幣社で扱った事案でも少なからずそういうことがあります。
そうなったら、そこで障害年金の請求の作業はストップせざるを得ません。
納付要件については、年金機構のホームページから該当部分を添付しておきますので、ご参照いただければ幸いです。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html#cms01
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html#cms01
そこで、初診日に「納付要件」が整っていれば、次のステップに行ける。障害年金の請求を進めることが可能になります。また、初診日において加入していた年金制度が国民年金か厚生年金かということで、大きく「待遇」が変わってきます。厚生年金に加入していれば、国民年金にくらべ金額も大きくなることだけではなく、3級まで受給できるので、受給のハードルがかなり下がるのです。長くなるので、このへんは後日述べたいと思います。
さて、なぜこのような初歩的なことを改めて述べるかというと、初診日において「納付要件」があるという確認をきちんとせず、障害年金の請求を進めていく方が少なからずいるからです。
ネツトの情報を浅く受け取り、受診状況等証明書や診断書を取得したのはいいが、納付要件がなければ、お金が無駄になってしまう。
初診日における傷病が請求傷病と相当因果関係があるかどうか それは請求者側がきめることではない!
危険なのが、初診日というものを自分たちで勝手に解釈してしまいがちなことです。「担当医の先生が、この日が初診日でいいって言っていました」と言われることがよくあるのですが、よーく聞いてみるととてもとんちんかんな話だったりします。初診日の傷病と請求傷病は相当因果関係があるということは皆さん概ね理解されていますが、担当医が考える「相当因果関係」と障害年金の認定が考えるものが全く違うということはよくあることなのです。
つまりここが難しいところで、障害年金における「初診日」の概念は、ケースによっては一筋縄でいかないのです。
そしてそれは経験でしか得られないものもであったり、ネツトの情報だけではわからないことがいっぱいあることを忘れてはいけんません。
そこで、我々のような社会保険労務士にご相談されることを推奨するのであります。
障害年金の請求で、まずはじめにやらなくてはいけないこと、それは「初診日」を確定すること。それをクリアーできれば、後は早いです。
次回は、最近幣事務所で受けた案件で、初診日を確定するのに非常に苦労したケースをご紹介いたします。
自力でやれることは、ぜひともやられたほうがいいでしょう。しかし、本当に複雑なケースもあるものです。そんな時こそ我々のような社会保険労務士にご相談してみてはいかがでしょうか。